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2016年の前回参院選の開票作業。各選挙管理委員会はミス撲滅への試行錯誤を続ける=神戸市西区
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2016年の前回参院選の開票作業。各選挙管理委員会はミス撲滅への試行錯誤を続ける=神戸市西区

 21日の参院選投開票日が迫る中、兵庫県内各市町の選挙管理委員会(選管)は、投開票作業でのミス防止に神経をとがらせている。1人に2回投票用紙を渡したり、票数を数え間違えたり…。国政、地方選挙を問わず、近年はさまざまなトラブルが繰り返されている。「ミス0(ゼロ)」への道はなぜ遠いのだろうか。

 今月7日、同県姫路市の参院選期日前投票所で、担当者が選挙区と比例代表の投票用紙を取り違えて渡した。最大17人分計34票が無効になる可能性がある。同市選管によると、必ず複数の目で投票用紙を確認するとした指示が守られず、1人で作業したことがミスにつながった。

 同市選管は再発防止策として、投票用紙と同じような色の紙に「選挙区」「比例代表」と書いて投票所の机に張った。選管事務局の松尾憲一次長は「周囲も間違いに気づけるよう『見える化』した」と説明する。

■翌朝仕事で焦り

 神戸市選管は「以前に比べミスが増えているのは事実」とする。今回の参院選期日前投票でも姫路と同様のミスが発生。那須安広選挙担当係長は「職員の意識の低さと言われても仕方ない」。人口が多く9区に分かれていることもあり、何らかのミスがどこかで出る。

 2017年の知事選では啓発用の模擬投票用紙17枚を誤交付した。同係長によると、多発しているのは、投票時の誤交付や開票時の投票者数の数え間違いなどという。ある職員は「開票所で作業するのは多くが区役所職員。翌日は朝から窓口を開く必要があるため、焦りもあるのかもしれない」と分析する。同市選管は今回の参院選に合わせ、投票用紙の自動交付機125台を購入し、2枚渡しなどのミス防止に努める。

 近年、選挙トラブルが絶えない西宮市。今年4月の統一地方選でも、転出して選挙権のない女性に投票用紙を交付した。今回の参院選では、「鉛筆の芯が短くなったり折れたりしていないか」など、準備から撤収までに点検すべき183項目を列挙した「チェックノート」を作り、責任を明確にするため担当者2人の署名欄も設けた。

 これまでもミスが起きるたびに防止策を講じてきたが、減らないのが現状。同市選管の尚山和男事務局長は「繰り返し繰り返し、職員に基本的なことを訴え続けるしかない」と話す。

■残業は229時間超

 選挙事務のミスが相次ぐ背景に、選管職員の過労を挙げる声も。公示直前の7月2日、神戸地裁は、17年10月の衆院選投開票日前日に公用車で死傷事故を起こした川西市選管の職員=休職中=に禁錮2年、執行猶予3年を言い渡した。判決によると、職員は事故までの1カ月間休みがなく、残業は229時間を超えた。

 市選管によると、同月の選管職員5人の残業時間は平均201時間。残業を減らすため、市は昨年の市長・市議ダブル選から、応援職員を3人から4人に増やした。事務効率化も行い、県議選前の今年3月は平均89時間にまで改善。水和彰朗事務局長は「参院選も月100時間を切れそうだ」とした上で、「ミスをなくすには、投開票日しか作業しない一般職員の意識向上も欠かせない」と話す。(霍見真一郎)

□応援職員の意識変えよ□

 一般社団法人「選挙制度実務研究会」の小島勇人代表理事(元川崎市選挙管理委員会事務局長)の話 選挙事務のミスは、選挙管理委員会だけの問題ではない。投開票を巡る作業の大半は選管事務局以外の職員が支えており、彼らが「自分の本来業務ではない」という意識を持っていることが背景にある。職員減など地方公務員を取り巻く環境が厳しさを増す中、多忙を極める各部署が応援している事情にも注目すべきだ。予算編成権と人事権を持つ首長も交え、ミスを根絶する意識の醸成を全職員で図らなければならない。

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