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整然と並べられた太陽光パネルがため池を覆う=兵庫県稲美町国安
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整然と並べられた太陽光パネルがため池を覆う=兵庫県稲美町国安

 水面にパネルを浮かべる太陽光発電所が、2010年代半ばから全国有数のため池密集地の播磨を中心に兵庫県内で広がっている。発電効率の良さや山林開発の必要がないなど地上に設けるよりメリットは大きい。電力の買い取り価格低迷や、景観への懸念など課題はあるが、発電事業者は「水上設置型こそ可能性はある」と今後も推進を目指す。(若林幹夫)

 県内のため池の太陽光発電を巡っては、北播磨県民局が2013年、小野市内で全国初の実証実験を始めた。太陽光パネルは高温になると発電効率が落ちるが、実験では水冷効果で発電量が陸地より年14%上回った。実験以降、播磨や淡路などで民間事業者による普及が進んだ。

 加古川市の二川工業製作所は今年3月までにグループ会社を含め姫路市や稲美町など県内計15カ所に設けた。出力合計は26メガワット。年間発電量は7300世帯分に相当する。全量売電し、同社の担当者は「収入の柱」と語る。経済性だけではない。パネルが水面を覆って光合成を防ぐため、水質悪化の要因となるアオコの発生抑制が見込める。水質を調べると、パネル付近はほかの地点より改善されていたという。

 ただ、課題もある。政府による固定買い取り価格が見直され、今年4月以降の申請は1キロワット時当たり18円から14円にまで引き下げられた。制度自体の抜本的な見直しも進められ、同社は収益が見込めないとして新規申請を見合わせている。

 また、景観の悪化やパネルの反射も懸念材料。兵庫県は17年度、5千平方メートル以上の太陽光パネル設置は届け出制とし、ため池は水面の5割以下とする基準を設けた。ため池が多い稲美町では8事業者が15カ所で稼働させているが、同町産業課は「水面に浮いている人工物を嫌がる声はある。地元の了解を得られた適地は残っていないのでは」とする。

 取り巻く状況は厳しいが「ため池ソーラー社」の名称で県内18カ所に設置する環境資源開発コンサルタント(大阪市)の金城義栄社長は「買い取り価格が低いからこそ効率が良い水上設置型のニーズは高い」と強気だ。

 金城社長は「5年で設置費は半額以下になった。コスト削減を進めるとともに、地元住民らの理解を深めたい」としている。

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