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兵庫労働局には仕事と介護の両立のポイントや相談先をまとめたパンフレットが並ぶ=神戸市中央区東川崎町1
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兵庫労働局には仕事と介護の両立のポイントや相談先をまとめたパンフレットが並ぶ=神戸市中央区東川崎町1
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 安倍政権が「介護離職ゼロ」を掲げる中、仕事と介護との両立を支援する休業制度の利用が広がっていない。家族の介護や看護のため年間約10万人が離職する一方、介護をする就業者で休業を取得するのは100人に1人にとどまる。参院選で介護離職は大きな争点になっておらず、当事者から制度の改善や活発な議論を求める声が上がる。

 育児・介護休業法では、介護が必要な家族1人につき最長93日の休業を取ることができ、短時間勤務や年5日までの介護休暇の制度が定められている。

 「介護は半年や1年で終わらない。最大で93日は少ないのではないか」。母親(90)の介護のため、2016年2月に鳥取市内の信販会社を退職した男性(64)=兵庫県豊岡市=は強調する。「休業に引け目を感じる人も多い。国が率先し、介護で休むのは当然という機運を高めないといけない」と求める。

 総務省の調査でも介護休業の取得が浸透していない現状が明らかだ。16年10月からの1年間で、介護をする正規や非正規で働く人のうち介護休業を取得したのは約1・2%。介護休暇などほかの制度を含めても利用率は1割に届かなかった。

 一方、16年10月から1年間の介護離職者は約9万9千人で、12年の同じ調査からほぼ横ばいになっている。兵庫労働局によると、会社や同僚らに家族の介護を伝えられないまま退職するケースも多いといい、同局雇用環境・均等部の金井陽子部長は「企業側が相談しやすい環境づくりを進めることも大切」と指摘する。

 介護に携わる社員を支援しようと、独自制度を打ち出す企業もある。臨床検査機器・試薬メーカーのシスメックス(神戸市中央区)は、最大1年まで休業の利用を可能とし、所得補償や再雇用の制度も整備する。

 同社の管理職の女性(56)は要介護認定を受けた80代の両親を介護するため、1月下旬から3カ月ほど休み、現在は短時間勤務の制度を利用する。「退職も考えたが、休職から復職して社会に居場所があることを実感でき安心感につながった」と笑顔を浮かべる。

 女性は「介護は各家庭で状況が異なり、国に一律の制度を求めるのは難しい」としつつ、「介護者が経験や思いを共有できる場が増え、社会の雰囲気が介護をしていると周囲に堂々と話せるように変わってほしい」と望んだ。(田中宏樹)

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