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候補者の訴えを聞く群衆の手にはスマートフォン。ネットで情報を集める有権者も少なくない=神戸市内
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候補者の訴えを聞く群衆の手にはスマートフォン。ネットで情報を集める有権者も少なくない=神戸市内

 投票率が50%を割り込み、過去2番目の低水準となった今回の参院選。自民、公明両党が改選過半数を確保したが、改憲勢力は改憲案の国会発議に必要な3分の2を割り込んだ。一方で、女性や社会的少数者の候補、インターネット上の選挙運動を展開した諸派に一定の支持が集まった。憲法改正や老後資金問題などが争点とされながら盛り上がりを欠いた選挙戦で、有権者の印象に残ったものを聞いた。

 「SNS(会員制交流サイト)を投票の参考にした」と話すのは、関西学院大3年の男子学生(20)=兵庫県宝塚市。フォローしている人の半数は、政治に関する話題に反応しているといい、「政治の話は顔を合わせてだとしづらいが、SNSだと気軽にできる」。

 表現の自由を掲げ、政治家らしからぬ巧みなネット発信を展開する自民の比例候補に親近感を覚えた。消費税増税についての訴えにも注目し「一貫して反対しているのは共産党だけ」だと判断。「SNSを見ることで、投票先を真剣に考えるようになった」という。

 兵庫県立大1年の男子学生(18)=姫路市=は、若い芸能人たちがSNSで投票を報告する動きに注目した。「ああいう投稿が増えていけば、若い人の投票率は上がると思う」

 ネットを駆使し、街頭演説にも人を集めたのが諸派の政治団体れいわ新選組。新聞やテレビでの報道は少なかったが、「投票日が近づくにつれ、勢いが増すのを肌で感じた」とアルバイトの女性(30)=神戸市中央区。兵庫選挙区の候補者についても生の訴えを聞きたいと、初めて演説に足を運んだ。

 れいわの山本太郎代表=比例、宝塚市出身=は落選したものの、個人の得票数はトップ級。メディアと選挙を研究する稲増一憲・関西学院大教授(社会心理学)は「局地的にネットでの話題は多かった」とした上で「“風”で全体が大きく動くような状況がなくなっているのかもしれない。どこが勝ったか分かりにくい状況とリンクしているように感じる」と指摘する。

 女性の当選者は28人で、3年前と並び過去最多。障害者やLGBT(性的少数者)の候補者にも、有権者の関心が集まった。

 「社会的に軽んじられてきた人が政治の舞台に登場するようになった。多様性が印象深い」と、性的少数者の支援団体を運営する女性(58)=明石市=は言う。子育て団体代表の男性(74)=神戸市東灘区=も「SNSでつながる母親の間で、障害のある候補者のことが話題になっていた」と振り返る。

 ただ、稲増教授は「多様性を重んじる時代の流れは続くだろうが、多様性が当たり前になれば注目されにくくなる」と、今後の課題を挙げる。棄権が“多数派”になった結果を踏まえると、有権者の動きはますます見通せない。(まとめ・田中真治)

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