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犬に本を読み聞かせる子ども=相生市那波南本町、市立図書館
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犬に本を読み聞かせる子ども=相生市那波南本町、市立図書館
さまざまな犬種の「ドクタードッグ」=相生市那波南本町、市立図書館
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さまざまな犬種の「ドクタードッグ」=相生市那波南本町、市立図書館

 子どもが犬に本を読み聞かせることで集中力を高めたり、癒やしを得たりする「リードプログラム」という取り組みが兵庫県相生市などで行われている。県動物愛護センター龍野支所などが導入し、国内では珍しい試み。お相手を担うのは訓練を受けて認定試験に合格した「ドクタードッグ」。病院などでお年寄りを癒やす、いわゆるセラピー犬が新たな領域に可能性を広げつつある。(宮本万里子)

■米発祥の試み 集中力高め、癒やし効果

 トイプードル、シェパード、コーギー、ボーダーコリー…。小型から大型までさまざまな犬種の8頭が次々と登場すると、子どもたちの表情が一気に緩んだ。

 4月下旬、同支所などが相生市立図書館で開いたリードプログラムイベント。小学生13人が、それぞれ絵本を手に1頭の犬と向き合い、声に出して読む。犬たちは床に伏せたり、ごろんと寝転んだり。「仲良くなれた!」「触ると温かいよ」。明るい声が響いた。

 「聞き役」の犬はいずれも、犬の保護や命の大切さを伝える教育に取り組むNPO法人「ペッツ・フォー・ライフ・ジャパン」(同県西宮市)の認定試験に合格したドクタードッグだ。

 「待て」や「来い」の指示に確実に従う▽耳や頭など体を触られても怒ったり嫌がったりしない▽むやみにほえない-などの厳しい条件をクリアし、飼い主と一緒にボランティアで施設などを回っている。

 リードプログラムは1999年、米国でセラピー犬団体が始め、欧州やオーストラリアなどに広がった。人前で話すことや文章の朗読が苦手な子どもでも、犬のぬくもりを感じつつ、読み間違えなど失敗をとがめられないため、自己肯定感や安心感を養える効果があるとされる。日本では、武庫川女子大(西宮市)や東京都三鷹市の図書館で導入例がある。

 相生でのイベントは好評だったことから継続が決まり、2019年度は8月と11月にも予定する。

 2頭のドクタードッグの飼い主で、一緒にプログラムに参加した同県赤穂市の女性(66)は「自分自身が癒やされた経験が、犬の存在を生かす活動に興味を持ったきっかけ」といい、「子どもが自然に犬を見守る姿を見るとやりがいを感じます」と目を細めた。

■担当は試験合格のドクタードッグ

 ドクタードッグ活動は1991年、香港で始まり、アジアを中心に広がった。日本ではNPO法人「ペッツ・フォー・ライフ・ジャパン」が2001年、認定や訪問活動を始めた。

 現在、認定試験に合格した犬は約50頭。飼い主の居住地などを考慮しつつ依頼し、学校、病院、福祉施設などを訪ねている。

 犬種は問わないが、試験合格のハードルは高め。何度も挑戦してやっと合格するケースも多い。

 兵庫県内では、赤穂市民病院が15年以上前から、原則月1回、ドクタードッグと入院患者らが院内で触れ合える機会を設けている。同病院は「患者さんが笑顔になったり、毎月楽しみにしている人もいます」。

 同法人現場責任者の石本理佐子さん(32)は「高齢の方が記憶を呼び起こしたり、急に体を動かすようになったりと穏やかな刺激になっているよう。訪問するのは一般の家庭にいるきちんと衛生管理された犬。より広く活動を知ってほしい」と話す。

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