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ビーチマット上を水陸両用車いすで進む木戸俊介さんら=神戸市須磨区須磨浦通1
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ビーチマット上を水陸両用車いすで進む木戸俊介さんら=神戸市須磨区須磨浦通1

 ビーチのバリアフリー化が全国で進んでいる。兵庫県内では、神戸市須磨区の須磨海水浴場。障害者や地元住民らでつくるNPO法人「須磨ユニバーサルビーチプロジェクト」が、車いすのまま砂浜を移動できる「ビーチマット」を週末ごとに設置し、広いシャワー室などを備えた海の家も運営する。マットのレンタル事業も好評で、障害の有無に関係なく楽しめるアウトドアの裾野はさらに広がりそうだ。(津田和納)

 ビーチマットは厚さ約3ミリのポリエステル製で、持ち運びにも向いている。砂地に足を取られることなく移動できるため、ベビーカーの利用者や高齢者にとっても安心だ。

 注目が高まったのはここ数年。東京五輪・パラリンピックに向けてスポーツ施設などのバリアフリー化が一段と進んだこともあり、好影響が海水浴場にも及んだ。今やマットを設けるビーチは全国に広がった。神奈川県鎌倉市の由比ガ浜では、木材を活用した通路ができ、海の家をつないだ。

 須磨海水浴場では2017年から、自身も車いすを利用するイベントプロデューサー木戸俊介さん(33)=神戸市北区=を中心に活動が始まった。

 木戸さんは15年、交通事故で脊髄を損傷し、車いす生活に。リハビリのために滞在したオーストラリアのビーチでマットと出合い、健常者と同じように海を楽しめる環境に驚いた。「諦めたことができるようになり、働く目的や生きる意味が見えた」。帰国後には早速有志らとインターネットで資金を集め、マットの購入にこぎ着けた。

 活動を担うのは同NPO法人のボランティア約60人。7~8月は毎週末、マットを波打ち際まで広げる。水陸両用の車いすの貸し出しも行い、昨年は136グループが利用した。

 身体障害のある子どもが初めて波に触れた瞬間を「驚きながらも満面の笑みだった」と振り返る木戸さん。家族は「海では一緒に遊べない」と諦めていたという。「その壁がマット一枚で取り払われた」と話す。

 昨年からは、車いすのまま利用できるシャワースペースなどを備えた海の家「須磨ユニバーサルビーチベース」も整備し、無料で開放。人工肛門などの保有者(オストメイト)に対応したトイレのほか、授乳やオムツ交換用のスペースも完備する。最近はベビーカーの子連れや、高齢者にも利用が広がっているという。

 マットのレンタル事業も積極的に展開する。神戸市垂水区のアジュール舞子には今シーズンから毎週土曜に設置している。6月には愛知県南知多町へ出張し、地元団体にノウハウを伝授した。

 木戸さんは「誰もが分け隔てなく楽しめる環境が当たり前になることで、偏見のない社会が実現できる」と意気込む。「須磨ユニバーサルビーチプロジェクト」はホームページでも情報を発信している。

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