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昭和から平成に変わる時期の神戸の写真やゆかりの作家の言葉が並ぶ会場=神戸市灘区王子町3、神戸文学館
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昭和から平成に変わる時期の神戸の写真やゆかりの作家の言葉が並ぶ会場=神戸市灘区王子町3、神戸文学館
神戸ポートアイランド博覧会の外観(神戸アーカイブ写真館提供)
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神戸ポートアイランド博覧会の外観(神戸アーカイブ写真館提供)

 昭和から平成への変化を、神戸の写真と文学でたどる企画展「続・昭和レトロ~時代が変わるとき」が、神戸市灘区の神戸文学館で開かれている。バブル景気以降、神戸がたどった道のりと、当時の空気感を再現。先ごろ亡くなった田辺聖子さんと神戸の関係にも触れている。(金井恒幸)

 昭和40年代の神戸と文学を取り上げた昨年の企画展「昭和レトロ」の続編。約140点の資料を用いて、令和が始まった今年、昭和から平成へ、一つ前の転換期を振り返ることにした。

 ユニバーシアード神戸大会(1985年)などイベントに加え、ハーバーランドやメリケンパーク、明石海峡大橋(開通は98年)といった大規模開発や事業のパネル写真を展示。神戸ゆかりの作品がある陳舜臣さん、宮本輝さん、内田康夫さんらが同時代に書いたエッセーや小説からの引用も並べ、対比する。神戸に一時在住し、6月に91歳で亡くなった芥川賞作家・田辺聖子さんは、書籍を集めた追悼コーナーも設けた。

 象徴的なのは、山を削り海を埋めて造成した“未来都市”ポートアイランドの完成を記念した神戸ポートアイランド博覧会(通称「ポートピア’81」、81年)。田辺さんはポートピア前年の神戸を舞台にした小説「ダンスと空想」で、新しいもの好きで好奇心満々な女性を描き、高揚する華やいだ雰囲気を表した。その一方、エッセーには「現今の神戸はポートピアで躁(そう)状態であるから猫も杓子(しゃくし)も浮かれている」と皮肉交じりの表現が見られ、面白い。

 昭和60年ごろの神戸・北野のフランス料理店を舞台にした宮本さんの「花の降る午後」は映画化され、北野は神戸観光の顔として脚光を浴びた。同じ頃、メリケン波止場と中突堤の間が埋め立てられ、メリケンパークが出現。陳さんはエッセーで「子ども時代の遊び場の海が、またしてもあっさり埋め立てられ」と嘆いた。一方で内田さんは小説「『須磨明石』殺人事件」で、明石海峡大橋を、「新しい景観の誕生を実感させる」と期待した。

 ポートピア公式記録など関連資料や、村上春樹さんの「ノルウェイの森」など当時のベストセラーも並ぶ。同館の水内真館長は「年号が変わった今、往時の神戸や自分を思い出し、今と比べてみては」と話す。9月23日まで。入館無料。水曜休館。同館TEL078・882・2028

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