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 企業ゆかりの財団などが運営する私立美術館では、合併や社名変更の影響で、館名がたびたび変わり、戸惑わされることがある。

 例えばファン・ゴッホの名画「ひまわり」やモダンな美人画で知られる東郷青児の作品を所蔵する「東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館」(東京都新宿区)。1976年、「東郷青児美術館」として開館。「安田火災東郷青児美術館」「損保ジャパン東郷青児美術館」と改称し、2014年に現名称に。さらに、来年5月には隣接地に移転して新美術館をオープンする。新名称は「SOMPO(ソンポ)美術館」となる。

 意外な例は60年あまりの歴史を誇る「ブリヂストン美術館」(東京都中央区)の決断。来年1月開館の新美術館を建設中で、今年7月、「アーティゾン美術館」に改名した。新館名は「アート」と「ホライゾン(地平)」を組み合わせた造語。企業名を外し、より公益に資することを目指すという。その理念は尊いが、愛着のある老舗の看板掛け替えは寂しくもある。

 近年、最も驚かされたのが、「京都市美術館」(同市左京区)だ。国内で2番目に古い大規模公立美術館で、80年以上も古都で芸術文化を発信してきたが、老朽化のため再整備事業中。来年3月の再オープン後は、愛称が「京都市京セラ美術館」となる。再整備費の半分を賄うため、命名権を50年契約、総額50億円で地元企業へ売ったためだ。

 前身は昭和天皇の即位の大典を記念した「大礼記念京都美術館」。1933年、関西の財界や美術界、市民らの寄付により建設された。収蔵品も大半が地元の作家や遺族らからの寄贈によるものだ。命名権売却は、「ロームシアター京都」(旧京都会館)などの先例はあるが論議を呼んだ。決まってしまったこととはいえ、公共の美術館の名称に企業名が入ることへ、市民らの反発や違和感は根強く残っているのではないか。(堀井正純)

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