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津田大介氏
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津田大介氏

 「表現の自由」を問う企画展が中止された国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」(愛知県で開催中)の芸術監督・津田大介さんを招き、神戸市内で18日に予定されていたシンポジウムについて、同市の外郭団体など主催側は9日、中止を発表した。今秋のアートイベントのPRが目的だったが「(津田さんをめぐる)現状を鑑みると、その実現は難しいと判断」したとしている。

 シンポは同市兵庫、長田区で9~11月に開かれる現代美術の祭典「アート・プロジェクトKOBE2019 TRANS(トランス)-」の関連行事で、市とトランスの実行委員会が主催。同イベントと、他の芸術祭の責任者らが語り合う趣向で計画された。

 テーマは「アートは異物を受け入れるのか」。「異物」とはジャーナリストの津田さん、美術館長に選任された建築家ら、異分野から芸術事業に取り組む登壇者を指していたという。

 7日に、自民の上畠寛弘、岡田裕二両神戸市議、7月の選挙で初当選した加田裕之参院議員らがツイッター上で津田さんの登壇に反対を表明。上畠市議と維新の外海開三同市議は実行委の事務局を務める市の外郭団体「神戸市民文化振興財団」の幹部に面会を求め、8日に登壇者の見直しなどを直接要請していた。

 事務局の担当者は「シンポはトランスを成功させるのが目的。津田氏が登壇すると愛知の件ばかりが注目される。宣伝できなければ意味がない」と話す。

 津田さんの登壇に関し、事務局や市には同日までに抗議や問い合わせの電話、メールが約200件寄せられた。

 「あいち-」は1日に開幕。企画展「表現の不自由展・その後」は、従軍慰安婦を象徴した少女像など他展で撤去や公開中止となった作品を展示したところ、脅迫するファクスが届くなどし、開幕3日で中止となった。(上杉順子)

■実行委員「恐れていた事態」

 「トランス-」の実行委員の一人、藤野一夫・神戸大教授(文化政策)は、シンポジウム中止の決定について「このようなドミノ現象を恐れていたが実際に起きてしまった。全国に波及し、自己検閲や自粛が相次げば、居心地の悪い、息苦しい社会となってしまうだろう。市議による政治的圧力の影響があったとすれば、憲法違反であり、大変遺憾なことだ」と話した。

 ギャラリー島田(神戸市中央区)オーナーの島田誠さんも「境界や障害を越えていくのが『トランス-』の趣旨だったはず」と言い、あいちトリエンナーレの「表現の不自由展・その後」については、「企画の意図が伝わらないまま、政治的メッセージなどに翻弄(ほんろう)され、中止になった印象」と懸念する。「その芸術監督、津田大介さんに今はスポットが当たりすぎている。できれば時期をずらしシンポは開いてほしい」とした。(堀井正純)

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