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11教科305冊の教科書がずらりと並んだ教科書展示。7~8社が争う激戦の教科も=姫路市立総合教育センター
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11教科305冊の教科書がずらりと並んだ教科書展示。7~8社が争う激戦の教科も=姫路市立総合教育センター

 この夏、全国の市町村教育委員会で、小学校教科書の出版社が熾烈(しれつ)な争いを繰り広げている。約10年ぶりに改定された新学習指導要領に合わせて、全16社が新しい教科書を出版。8月中には2020~23年度に使う教科書が決まるためだ。このシェアが業界の勢力図を決するとあって、各社は知恵と工夫でしのぎを削る。(井沢泰斗) 

 11教科305冊。6~7月に姫路市立総合教育センターで開かれた「教科書展示」には、検定に合格した小学校の全教科書がそろった。18年度から正式教科となった道徳には最多の8社が“参戦”。5、6年生で教科化される英語も、7社が争う激戦区となった。

 出版関係者によると、教科書定価は1冊数百円。利益は少なく、ある程度の規模の市町村で採択されないと赤字を招く。一方で、過去の不祥事などから一般社団法人教科書協会(東京)は過度な営業を禁じており、各社は教科書の中身に企業努力をつぎ込む。

 例えば、地域戦略。15年度の日本文教出版(大阪市)「小学社会3・4年上」は146ページ中104ページを姫路の内容が占め、姫路市教委が採択する大きな要因になったとみられる。同社は今回もほぼ半分で姫路を扱っている。

 同社の担当者は「姫路は山や海があり、農漁業も重工業も盛ん。多くの要素に恵まれている」と理由を説明しつつ、「地元情報が詳しく載っていることが選定理由になることはある」と認める。

 道徳でも具体的な地域の産業が題材になっている。姫路市の伝統工芸品「明珍(みょうちん)火箸」の歴史や携わる人たちを取り上げる教科書もある。

 注目は英語だ。QRコードを読み取って音声や動画を見聞きできる機能を備えたり、ゲームを通じて英単語を覚える単元を設けたりと、親しみやすく学べる工夫が随所にみられる。

 教育出版(東京)は全教科書で、色覚障害に配慮した色使いを採用するなど、細かな配慮をアピールする出版社もある。

 日本文教出版の担当者は「一度採択されると4年間は動かない。一つの自治体に選ばれるのと選ばれないのとでは大違いです」と緊張感を漂わせた。

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