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兵庫県市川町長選・町議選の期日前投票所の出口に置かれた町指定ごみ袋=兵庫県市川町役場
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兵庫県市川町長選・町議選の期日前投票所の出口に置かれた町指定ごみ袋=兵庫県市川町役場

 今月4日に投開票された兵庫県市川町長選・町議選で、一つの数字が話題になった。40・66%。期日前の投票率だ。4年前から約17ポイントも跳ね上がり、このまま一気に伸びるかと思いきや、さにあらず。最終的な投票率は過去最低の69・67%に沈んだ。一体何があったのか。答えは、期日前投票を終えた有権者が等しく握るビニールの束にあった。(井上太郎)

 期日前投票は7月31日から4日間、市川町役場で行われた。選挙戦の構図は2015年の前回選同様、現職と新人の一騎打ち。町議とのダブル選という条件も同じで、大きな争点もなかった。それでも期日前投票率は4年前の24・12%を優に超え、約1万人の有権者のうち4割超が本来の投票日前に選択を済ませた。

 今月1日午後、同町役場。期日前投票を終えた60代の男性が小さく折り畳まれたビニールの束を手に駐車場へ戻ってきた。投票所の出口で自由に取ることができたというその正体は、町指定のごみ袋。「期日前投票 みんなに伝えてね」との啓発メッセージを添えた紙で、2枚一組に束ねられていた。

 指定ごみ袋は、普通に買えば1枚当たり18円程度。男性が「お得やん」と言えば、隣で受け取る妻も深くうなずき「息子の家族もみんな、期日前に行くで」。

 町選挙管理委員会が期日前投票所でごみ袋を配るようになったのは、2年前の県知事選から。以降、期日前の投票率は急上昇を見せ、17年10月の衆院選は1回前の選挙から約19ポイント、今年7月の参院選は約16ポイント伸び、ともに39%を超えた。ただ、最終的な投票率はいずれも微増にとどまった。

 景品で釣っているようにも見えるが、町は「そうではない」と否定する。期日前投票者に啓発文とともに持ち帰ってもらい、家族や知人に投票を促してもらうのが狙いという。

 同様の例は他の自治体でもある。徳島県鳴門市は7月の参院選で初めてスポンジやトイレットペーパーを配布。しかし期日前投票率は15・18%で、前回比0・28ポイント増と振るわなかった。

 総務省選挙課は「特定候補への投票を促すために渡しているわけではなく、法律上問題はない」と静観する。一方、神戸大大学院法学研究科の品田裕教授(選挙制度論)は「投票が済んだ人に配るのは啓発ではない。投票前が筋」と指摘。「期日前への誘導策が行き過ぎると、当日投票所の削減議論など有権者の不利益につながりかねない」とくぎを刺す。

 結果的に過去最低を更新した市川町長・町議選の投票率。町選管は「(全体の)投票率を上げるのは難しい。維持、下げ止まりにつなげる試みで、その意味では成果が出ていると受け止めている」としている。

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