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選手の泳ぎを見守る桜井誠一さん=神戸市立ポートアイランドスポーツセンター(撮影・後藤亮平)
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選手の泳ぎを見守る桜井誠一さん=神戸市立ポートアイランドスポーツセンター(撮影・後藤亮平)

 障害者スポーツの祭典、2020年東京パラリンピックの開幕まで、25日で1年となった。5大会連続出場が懸かる日本競泳界のエースを輩出するなど、神戸は、障害者アスリートの育成先進地。長年、地元で指導に当たり、日本パラリンピック委員会副委員長を務める桜井誠一さん(69)=東京都=は「神戸モデルを全国に広げ、東京パラを共生社会実現のきっかけにしたい」と願う。

 お盆初日の今月13日、神戸市中央区にある市立ポートアイランドスポーツセンターのプールサイドに、桜井さんの姿があった。全国から集まった障害者競泳の育成選手たちが合宿に参加しており、一人一人の泳ぎを見守っていた。

 過去のパラリンピックで日本代表水泳チームの監督や日本選手団の副団長を務めた桜井さんは、元神戸市職員。東京パラの開催が決まり、2015年から都内に単身赴任しているが、阪神・淡路大震災の発生時は市広報課長、その後は保健福祉局長などを歴任した。庁内では多彩なアイデアを持つやり手行政マンとして辣腕(らつわん)を振るう一方、力を注いできたのが、障害者競泳の選手を育成するボランティアだった。

 きっかけは、1989年開催の「フェスピック(現アジアパラ大会)神戸大会」。市役所の水泳部員として障害者向けの教室で泳ぎを指導していたが、大会が開催されるのを機に、教室のメンバーらと「神戸楽泳会(らくえいかい)」を結成した。「当時、障害者スポーツという言葉はあっても、リハビリや健康のためという『福祉』の世界だった。楽泳会はフェスピックのメダルを目指し、競泳スタイルの泳ぎを指導した」と振り返る。

 これまで、パラリンピックに4大会連続で出場し、前回リオデジャネイロ大会の男子50メートル自由形(運動機能障害S9)で銅メダルを獲得した山田拓朗(NTTドコモ、三田市出身)らを輩出。全日本パラ・パワーリフティング選手権覇者の山本恵理(神戸市須磨区出身)など、同会出身で他の競技で活躍するアスリートもいる。

 また、市水泳協会が毎年主催する「神戸市民選手権大会」には、楽泳会や日本身体障がい者水泳連盟(本部・神戸市)所属のアスリートが出場。健常者との垣根をなくした「神戸モデル」が地域に根付いている。

 国内大会では「両手でタッチしないと失格」という規則が障害者に適用された例があり、桜井さんは「欧米と違い、市民大会、県民大会と言いつつ、障害者が出場できないことが多い」と指摘。東京パラの開催が、社会を変える好機と捉える。「誰も排除せず、包み込む社会の実現につなげ、障害のある子がパラのトップ選手を目指して練習できる環境も、広げていきたい」と話している。(段 貴則)

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