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スーパーコンピューター「京」=神戸市中央区港島南町
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スーパーコンピューター「京」=神戸市中央区港島南町

 神戸・ポートアイランドのスーパーコンピューター「京」の電源が、30日に落とされる。誘致決定後も、旧民主党の事業仕分けで巨額の事業費がやり玉に挙がったり、部品工場が東日本大震災で被災したりと、完成までの道のりは平たんではなかった。2012年9月の本格稼働後は、国内有数の計算科学の拠点となり、産学でさまざまな成果を上げてきた。9月から解体が始まり、同所に設置される後継機「富岳」(21年稼働予定)にバトンを譲る。(霍見真一郎)

 国家プロジェクトとして国と理化学研究所(理研)が中心になって06年に開発が始まった。京の総事業費は、1100億円超。神戸市が約2万7千平方メートルの市有地を無償貸与するなどし、横浜や仙台、大阪などのライバル都市を抑えて誘致に成功した。08年に着工したが、翌年11月、旧民主党による事業仕分けで事実上の計画凍結となった。専門家らの反発で1カ月後に「復活」し、12年6月に完成した。

 当時の家庭用パソコン約50万台分という桁違いの性能を誇り、演算速度ランキング「トップ500」で世界一に輝いた。神戸大、兵庫県立大、甲南大が隣接地に研究拠点やキャンパスを新設。神戸市が進める医療産業都市構想にも弾みをつけた。一方、一般家庭2万5000世帯分の電気を使い、1日約1000トンの工業用水を冷却に必要とするなど、総経費は毎年約100億円かかったという。

 そんな京は、医療や防災、ものづくりなど、さまざまな分野で新技術を生み出す原動力となった。筑波大などのグループが、宇宙の形成に関わるとされる暗黒物質(ダークマター)の粒子約2兆個の動きをシミュレーションした成果は、12年にスパコン界の権威あるゴードン・ベル賞を受けた。

 しかし、各国がしのぎを削るスパコン開発競争は厳しく、京は演算速度世界1位からわずか1年で陥落。最新のランキングでは20位まで落ちた。国内でも16年に東大・筑波大のスパコンに抜かれ、現在は3位に。一方で、ビッグデータの処理能力を示すランキング「グラフ500」では、2015年から現在まで1位を獲得し続けている。

 後継機「富岳」の構想は、京の完成前から始まっていた。目標性能は京の最大100倍。省電力も両立させ、人工知能(AI)研究を加速させる機能も盛り込む予定だ。京は運用経費の高さや保守の継続性などの問題で、移設や再利用されることなく解体される。

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