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幸恵さんの写真の前で胸の内を語る津田伸一さん=6日午後、加古川市内
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幸恵さんの写真の前で胸の内を語る津田伸一さん=6日午後、加古川市内
京都アニメーションの新作映画「ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝-永遠と自動手記人形-」のパンフレット
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京都アニメーションの新作映画「ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝-永遠と自動手記人形-」のパンフレット

 アニメ制作会社「京都アニメーション」(京都府宇治市)の新作映画が6日、公開初日を迎えた。同社の新作公開は、社員35人が亡くなった放火殺人事件以降で初めて。エンドロールには犠牲になった兵庫県加古川市出身の津田幸恵さん(41)の名前も記されていたが、父親の伸一さん(69)=同市=は「今は幸恵を失った現実に向き合うことで精いっぱい」と複雑な心境を語った。

 幸恵さんは作品の仕上げとなる彩色や特殊効果を担い、この作品でも「仕上」を担当。伸一さんは「その道のベテランとして頑張っていた。こんなことになるなんて」と肩を落とす。

 最後に会ったのは5月。幸恵さんは「これから忙しくなる」と話していた。「この映画のためだったのかな」と伸一さん。かつては、エンドロールに幸恵さんの名前を見つけて妻と喜び合うこともあったが、「名前を載せてもらったところで幸恵が戻ってくるわけではないから…」と言って遺影を見詰めた。

 8月下旬、京都市内の幸恵さん宅から荷物を引き払い、自宅まで運んだ。荷ほどきしていると、小学生の時に買ってあげたおもちゃ、高校時代に「アニメーターになりたい」と友人に宛てた手紙、アニメ専門学校で使っていた教材が出てきた。「こんなもんまだ持ってたんや、とびっくり。物を大切にする性格は母親似やね」。伸一さんは「時間がたっても、悲しみは全く変わらない」と声を絞った。

 同じく命を奪われた赤穂市出身の武本康弘さん(47)=京都府宇治市=の名前も「サポーティングスタッフ」として刻まれた。父親(76)は赤穂市の自宅で「事件から時間がたたない中で気持ちの整理がつかず、新作を見に行く予定はない」と言葉を絞り出した。

 康弘さんは、テレビアニメ「らき☆すた」などの監督を務め、同社の取締役を担っていた。携わった映画が公開されると、いつもチケットが2枚届き、妻と一緒に神戸市の映画館へ足を運んで観賞した。だが、康弘さんが事件に巻き込まれたため、最後の作品となった新作のチケットが送られてくることはなかった。

 京都アニメーションを応援しようと大勢のファンが映画を見に行き、康弘さんの名前も挙がったことに感謝しながら、父親は「小学2年生の孫娘の顔を見に行きたい」と話した。「お父さん、まだ帰ってこないの」と不思議がっていた孫も最近、康弘さんが亡くなったことを理解したようだという。

 一方で「テレビをつけては、康弘の作品を収録したDVDばかりを見ている。精神的なケアが必要だと思う」と孫を心配した。(小森有喜、坂本 勝)

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