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 加藤勝信厚生労働相は11日、アスベスト(石綿)が原因の肺がん患者に、国が支払う損害賠償のうち「遅延損害金」は労災認定時ではなく診断時にさかのぼって請求できるとした9月の福岡高裁判決について、「上告しない」と明らかにした。賠償金の利息に当たる遅延損害金の起算点が争われていた。

 加藤厚労相は、同様の判断を示した9月の神戸、広島両地裁判決への控訴も取り下げると表明。判決が確定していない大阪地裁と別の神戸地裁の判決についてもこれ以上争わない方針とした。

 断念の理由を加藤厚労相は「総合的な判断」と説明。厚生労働省の担当者は、上告は憲法違反の際などに限られることも判断の要因となったとしている。

 遅延損害金は年5%で、損害発生をどの時点とするかで金額が変わってくる。各訴訟で国は起算点を「労災認定の日」と主張。だが、9月27日の福岡高裁判決は「肺がんの確定診断を受けた日とみるのが相当だ」と退けた。福岡高裁の判決によると、原告の70代男性は1960~96年に北九州市の石綿建材工場で勤務した。2008年11月、肺がんとの診断が確定。10年2月、労災認定を受けた。高裁は請求通り1265万円の賠償と、遅延損害金の支払いを国に命じた。

 9月17日の神戸、広島両地裁の判決では「損害の発生日は、がん診断や手術を受けた日とするのが相当」などと判断した。

 神戸地裁の訴訟で代理人を務めた大阪アスベスト弁護団の谷真介弁護士は、国の方針を「歓迎したい」と話した。

 神戸地裁は、肺がんにかかった80代男性2人の遅延損害金の起算時期について「診断を医師から受けた日」と判断。国は9月26日付で控訴していた。

 一方で、谷弁護士は「『生きているうちに救済してほしい』という思いから、泣く泣く和解した被害者は数多い。国の判断は遅い」と指摘し、既に和解した事例でも「診断日からの遅延損害金を支払うよう改めるべきだ」と求めた。相談は同弁護団TEL090・3273・0891

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