兵庫県明石市にある兵庫県中央こども家庭センター(児童相談所)の男性職員=当時(27)=が2014年11月に自殺したのは、上司2人のパワハラや過重な業務による精神疾患が原因として、両親が県に約1億1800万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が25日、神戸地裁(後藤慶一郎裁判長)であった。県側は請求棄却を求め、争う姿勢を示した。
訴状によると、男性は14年4月、他部署から同センターに異動し、東播地域で虐待問題を抱えた親子の対応などを担当。両親側は、男性が上司から同僚の前で大声で注意されたり、電話中に受話器を奪われ「(男性が)頼りないから」と告げられたりした-などと主張する。
口頭弁論では、男性の父親が意見陳述に立ち「上司らは部下に助言をする立場でありながら、パワハラを繰り返して息子から自信を奪った。なぜ自死してしまったのかを知りたい」と述べた。
県側は答弁書で、業務について「センター内の別の班と比較して、多忙な地域とまでは言えない。専門性を有する業務ではあるが、一般事務職の職員も従事している」と主張。パワハラの有無については、まだ態度を示していない。
