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神戸市会総務財政常任委員会で条例改正案を審議する委員ら=28日午後、神戸市役所
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神戸市会総務財政常任委員会で条例改正案を審議する委員ら=28日午後、神戸市役所
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 神戸市立東須磨小学校(同市須磨区)の教員間暴行・暴言問題を受け、神戸市会で29日に可決、成立した条例改正案は、市当局の市会運営委員会への議案説明から、わずか5日での成立となった。世間の厳しい批判を受け、有給休暇の扱いとなっている加害教員4人の給与差し止めを急ぎたい市当局と、反対しづらい立場の議員という構図が、異例のスピード成立を可能にした。

 「教育の権限がない市長が事態打開のため何ができるのか(中略)。近日に必要な対応をするつもり」

 東須磨小の問題を巡り、久元喜造市長は20日、前例のない対応を宣言するかのように自身のツイッターに書き込んだ。市や市教育委員会には、加害教員が有給休暇の扱いとなっていることへの批判が相次いでいた。ほぼ同時期、市当局は弁護士や議会関係者らの意見を聞きつつ、条例整備に向けた調整を水面下で進めていた。

 ただ、今回のような条例改正は職員の身分保障を制約することになるため、他自治体でもほとんど例がない。当初は今回の問題に特化した条例案の提出も検討したが、「平等な取り扱いを定めた法に抵触する可能性がある」と断念。条例改正案の市会審議では市幹部が今回の問題を念頭に置いた措置であることを強調し、「審議が長引けば、その分(加害教員に)給与が支払われる」と早期成立への理解を求めた。

 改正条例案は賛成多数で可決、成立したが、与党議員は「議論の時間があまりにも足りない。議論が長引くほど世間の批判を浴びる」と困惑する。ベテラン議員は「やむを得ない面もあるが、市長が世論に過剰に反応している」と指摘する。「この条例改正で本当に4人全員の給与を差し止めることができるのか。できなければ、パフォーマンスと取られかねない」

 一方、神戸市職員労働組合(市職労)幹部は「事前説明を受けていなかった」と戸惑う。「市職員の身分に関わることなので、本来であれば説明があるべきだ。成立を急ぐあまり、対応できなかったのではないか」と話した。

 市教委の担当者は「給与や分限・懲戒に関する条例は(任命権者が異なる)市と市教委で一本化されており、条例改正は市長部局で提案するのが通例」とした上で、「条例改正を厳格に受け止め、適切に対応したい」と言葉少なだった。(石沢菜々子、長谷部崇)

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