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幼稚園だった建物を事務所としている宍粟市雇用創生協議会=宍粟市一宮町生栖
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幼稚園だった建物を事務所としている宍粟市雇用創生協議会=宍粟市一宮町生栖

 厚生労働省が展開する実践型地域雇用創造事業の委託先に採択された兵庫県宍粟市雇用創生協議会(会長・福元晶三市長)が、実態のない就労セミナーの開催などを実績として同省に報告し、委託金を不正に受給した疑いのあることが、神戸新聞社の調べで分かった。委託金として2018年度からの3年間で計約1億7千万円が国から支払われる契約となっているが、18年度に実施したとする35回のセミナーのうち、少なくとも8回は実態がなかったとみられる。

 厚労省兵庫労働局と宍粟市は4日までに同協議会事務所(同市一宮町)に立ち入り、緊急監査を実施。福元市長はセミナー活動の一時停止を指示した。同協議会は福元市長が会長を務めるが市は活動に関与せず、元神戸市議の村岡龍男氏(59)が事務局長として事業を取り仕切っている。

 同協議会は18年12月に発足し、初年度の4カ月間で27人の雇用創出目標を掲げた。神戸新聞が厚労省に情報公開請求して18年度の「実施結果報告書」などを入手したところ、8種類のセミナーを計35回開催し、115人が参加、34人の雇用を創出したとしていた。

 だが、報告のうち14回分について参加者に取材したところ、8回は住民の集会で協議会の活動内容を説明するなどしただけで、セミナーの実態がなかった。例えば12月10日に宍粟市一宮町の公民館で開催したとする「ミツマタ職場体験、能力開発セミナー」は、実際にはその1カ月前に地元自治会が開いた「生涯学習会」で村岡氏が紙幣や和紙の原料となるミツマタについて話したものだった。

 自治会によると、村岡氏から「セミナーの実績にしたいので、12月10日に開催したことにしてほしい」と申し入れがあったという。同協議会は12月に発足したため、11月の活動は対象外だった。

 報告書は、村岡氏の義父が講師を務め、90分間の講師謝礼として5万円を支払ったとする。だが、参加者によると、義父が講演した実態はなかったという。村岡氏は協議会職員のため、講演しても講師料を受け取れないことになっている。

 義父の名前は計7回のセミナーで記載され、1日あたり5万~15万円の謝礼を計70万円支払ったとされている。19年度は村岡氏の妻も講師に名前が挙がり、義父と合わせて11回分の講師料として110万円が支払われたとみられる。

 村岡氏は神戸新聞の取材に「市役所や労働局と協議をしている段階であり、現時点でコメントできない」としている。兵庫労働局は「事実であればセミナーとして認められず、講師料の支出も不適正。事実確認を進め厳正に対処する」としている。(古根川淳也)

【実践型地域雇用創造事業】雇用機会が少ない地域を対象に、特性を生かした雇用創出の取り組みを支援する事業。厚生労働省が2012年度に過去の同種の事業を統合して始めた。自治体と経済団体などで構成する協議会が、3年の期間内で求職者や企業向けに就労セミナーを開催するなどし、国が最大年2億円を支払う。雇用創出目標の達成率が基準を下回れば、事業が打ち切られることもある。今年4月1日時点で全国31地域に協議会がある。

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