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「筋電位車いす」に乗る練習をする構井遼さん。コーンをよけながら左右に操る=和田山特別支援学校
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「筋電位車いす」に乗る練習をする構井遼さん。コーンをよけながら左右に操る=和田山特別支援学校
ヘッドセットに装着された電極をこめかみに当てて電気信号を感知し、受信機(手前)が車いすに指示を出す
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ヘッドセットに装着された電極をこめかみに当てて電気信号を感知し、受信機(手前)が車いすに指示を出す

 脳性まひがある和田山特別支援学校(兵庫県朝来市和田山町竹田)高等部3年の構井(かまい)遼さん(18)=同県加古川市=が、筋肉が動くときに発生する弱い電気信号を使った「筋電位車いす」の実用化に向けて取り組んでいる。首から下を自由に動かせないため、あごの筋肉を動かすことで電動車いすを操れるよう、開発者と共に試行錯誤。願いは「自分一人の力で動く」ことだ。(竜門和諒)

 開発するのは、県立福祉のまちづくり研究所(神戸市西区)の元研究員で福祉機器の開発に長く携わってきた杉本義己さん(65)=奈良市。現在は企業からの依頼で福祉機器などの試作を手がける個人事務所「システムデザイン・ラボ」(奈良市)を営む。

 2人の出会いは8年前。福祉機器の紹介イベントに出展していた杉本さんに、会場にいた小学生の構井さんは、「自分でパソコンを使いたい」と訴えた。

 翌年には、あごの筋肉の動きに反応してカーソルが動く「筋電位マウス」を使い、パソコン操作に挑戦。中学生の頃にはワードやエクセルなどの操作をマスターした。手応えを感じた構井さんは、長く抱き続けていた「自分の意思で移動したい」という思いをぶつけた。

 かつて、あごでスティックを操作する電動車いすに試乗したことがあるが、調節がうまくいかずに急発進したため、利用を諦めたことがあった。それでも、介助者の手を借りずに動きたいとの願いは消えなかった。

 共感した杉本さんは、筋電位車いすの研究に、利用者となる構井さんにも参加してもらうことにした。

 車いすは、あごの筋肉を動かす「側頭筋」に流れる電流を、こめかみに当てた電極で感知する仕組み。左右両方のあごをかめば前進、離せば止まる。左右どちらかをかめば旋回し、後進もできる。

 長時間乗るとあごが疲れるため、週2~3回、学校の体育館で練習。同じ要領でパソコンを操作していたため慣れも早く、「自分の思い通りに動いてくれる。乗っていて楽しい」。体育の授業にも参加できた。

 課題は、見えにくい足元の障害物を感知する仕組みだ。慣れた学校内や広々とした体育館で動くことはできるが、街中への外出となるとまだハードルが高い。杉本さんは「自分で動けることで、少しでも豊かになる時間があるなら使ってもらいたい。改良を重ねて商品化も考えている」と話している。

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