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雨が降り込むことがあるという渡り廊下と新館のつなぎ目=姫路市西延末
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雨が降り込むことがあるという渡り廊下と新館のつなぎ目=姫路市西延末
離れたところから見た半円形のくぼみ。窓にはモノレールの絵が描かれ、往時をしのばせる=姫路市西延末
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離れたところから見た半円形のくぼみ。窓にはモノレールの絵が描かれ、往時をしのばせる=姫路市西延末

 「新館1階の入館口に雨が吹き込んでくる。何とかならないものか」-。姫路市立水族館(兵庫県姫路市西延末)について、読者からこんな問い合わせが寄せられた。同館によると、本館と新館をつなぐ渡り廊下の切れ目のことで、「玄関マットまで水浸しになってしまうこともあります」。では、なぜ対策を取らないのかと聞いてみると、金銭面に加え、かつて姫路駅との1・6キロを結んだモノレールにまつわる理由があった。(谷川直生)

 同水族館は1966年、全国でも珍しい「山の上の水族館」として開業した。当時からの「本館」に加え、隣接する同年築造の建物を2011年のリニューアルに合わせて「新館」として組み込み、本館との間を渡り廊下でつないだ。

 この渡り廊下と新館入り口のつなぎ目に、15センチの隙間がある。その上部は大きな半円形の空洞になっていて、台風や豪雨の時にはここから雨が吹き込むという。隙間を埋めるには、数百万円の工事費がかかるというが、そのままにしているのは、お金の問題だけではないらしい。

 新館はもともと「姫路モノレール」の手柄山駅舎で、産業遺産としての価値があるという。公共施設の工事・設計などを担う同市営繕課の職員は「隙間を埋めるとなると、新館を一度取り壊さないといけなくなる」と話す。

 職員によると、鉄道駅舎として建てられた新館は建築基準法とは別の法律に沿ったと考えられ、「鉄筋などの基礎が建築基準法の規定を満たさない可能性が高い」という。

 屋根を一続きにしてしまうと、渡り廊下の面積を20分の1以上増築することになり、新館を現行の建築基準法に適合させなければならない。現状でも耐震性に問題はないが、鉄筋などを交換せざるを得ず、事実上、建て直しが必要というわけだ。

 姫路モノレールといえば66年、姫路大博覧会の会場だった手柄山と姫路駅間で開業し、わずか8年で休止された。国内で2番目のモノレールであり、当時の駅舎の面影を唯一残すのがこの新館だ。半円形の空洞は、モノレール出入り口の上部に当たる。

 産業遺産を残しつつ、入館者を可能なかぎり雨から守ろうとした「解決策」が、15センチの隙間だった。職員は「今の形が法で許されたぎりぎりの状況。危険であれば対策を考えるが、そういう状況はない」と理解を求める。

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