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自衛隊の訓練内容について、再請求で開示された公文書の一部(左)と黒塗りの公文書
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自衛隊の訓練内容について、再請求で開示された公文書の一部(左)と黒塗りの公文書

 兵庫県三田市をはじめ神戸、三木、丹波篠山など周辺市でも飲み水の水源として利用されている青野ダム(千丈寺湖、三田市)で2016、18年、市条例で禁止されているエンジン付きボートを使った陸上自衛隊の訓練について、神戸新聞社が市に情報公開請求したところ、「機密事項」などとし、ほぼ黒塗りで公開となった。しかし、後日、再請求すると一転、市は「自衛隊に『容認』してもらった」とし、訓練内容を記した文書を全面開示した。(門田晋一)

 第三者が絡んでいても、自治体情報の公開は原則、当該の市町が独自に判断する。専門家は公文書公開を恣意(しい)的に運用すると、自主性や客観性を失い、本来の目的である行政の説明責任を全うできなくなる恐れを指摘する。

 市が開示した公文書などによると、市は16年と18年の両8月、伊丹駐屯地の第36普通科連隊長から訓練実施の依頼を受けた。市は水質保全に向けた「千丈寺湖の環境を守る条例」に基づき、湖内でのエンジン付きボートの使用を全面禁止。しかし、油が流れた場合に回収することを条件に、市長名で特例的に使用を認めたとし、条例違反には当たらないとの姿勢だ。

 今年5月の公開請求で、市は許可したかどうかの情報を黒塗りにして公開。自衛隊には意見を聞いておらず、理由は「公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼす恐れがある」などとした。

 6月、神戸新聞社は一連の経緯を三田版で掲載し、市に再請求すると、一転して市は8月に黒塗り部分を全面的に開示。18枚の資料で、訓練の実施場所や水難救助が目的であること、使用機具、訓練の写真、連隊長名の依頼内容などを明らかにし、自衛隊担当者の携帯電話番号以外は公開した。

 市が自衛隊に確認した結果、「判断は委ねる」と回答されたため、庁内協議を経て開示を決めたという。担当課は「『知る権利』よりも訓練に支障が出るのを配慮したためで、当時の判断としては間違っていない」としている。

 警察や企業など第三者機関の情報が含まれる文書について、三田市を含む多くの市町は情報公開条例に基づき、任意で公開の有無を判断できるとしている。

 神戸学院大学の上脇博之教授=憲法学=は「自治体はどの機関が絡んだとしても、自主性を持って開示の判断をしなければならない。公文書公開は本来、市民の知る権利を保障するためにある。関係機関の意向次第で変わるという恣意的な運用をすると、行政手続きの透明性も信頼性も担保できなくなる」と話す。

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