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教師から専業猟師に転身した西村大二郎さん。食育の経験を生かす=丹波篠山市住山
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教師から専業猟師に転身した西村大二郎さん。食育の経験を生かす=丹波篠山市住山
自宅脇に造った施設でイノシシを解体する西村さん=丹波篠山市住山
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自宅脇に造った施設でイノシシを解体する西村さん=丹波篠山市住山

 イノシシの肉をみそ仕立てで味わう「ぼたん鍋」で知られる兵庫県丹波篠山市に、教師から専業猟師へ転身した男性がいる。「捕らえた1頭を無駄なく『生かしたい』」と、自宅を改装したジビエ専門店で解体や販売も手掛ける。胸に抱くのは、小中学校の食育で子どもたちに教えてきた「命の大切さ」。兵庫県内ではきょう15日、シカやイノシシなど鳥獣類の狩猟が一斉に解禁された。(金 慶順)

 同市住山で「山大(やまだい)」を営む西村大二郎さん(36)。シカとイノシシの狩猟期間は11月15日~3月15日だが、有害鳥獣駆除に取り組む市の特別職公務員としてそれ以外の期間も山に入る。解禁を3日後に控えた今月12日にも、箱わなで捕らえ血抜きを終えた2頭のイノシシが自宅脇の施設に並んだ。

 若い雄と、出産経験のない「産まずの雌」。ナイフで丁寧に毛皮をそぎ取り、背を割って、切り分けていく。血はほとんど出ず、においもない。

 「産まずの雌は肉がきめ細やかな最高級品。雄は正月にかけてどんどん脂が乗りますよ」と西村さん。本年度はシカを含めて既に計約100頭を捕獲。他の猟師からの持ち込みも加えると200頭以上を解体した。肉は全国の飲食店や個人に販売し、在庫を確保できないほど好評だ。

 曽祖父の代から続く猟師の家。大学を卒業して神戸で数年会社勤めをした後、故郷で教師になった。狩猟は手伝いから始め、24歳で免許を取得。9年間、小中学校で教えながら休日は猟に出た。

 当時、駆除したシカは山の中に埋めるのが当たり前だった。西村さんは教壇に立って子どもたちに「命に感謝して食べなさい」と教えていたが、どこか矛盾も感じていた。

 「いい肉を無駄にせず流通させたい」と、2016年に「山大」を開業。ジビエブームも追い風となり、専業猟師になった。「今は自分で解体することで、ほとんど全てを利用できている」という。ホームページで丹波篠山の自然、シカとイノシシの新鮮な肉を紹介すると、販路は年々広がっていった。

 獣害を嘆く農家にとって、鳥獣駆除は欠かせない。市森づくり課によると、市内で本年度駆除されたイノシシは約260頭、シカは約640頭。イノシシはほとんどが食肉として流通するが、シカは半分ほどが廃棄されているという。

 市猟友会丹南支部長も務める西村さんは「山にいる獣の数を適正に保つことが山を守ることにつながり、農家や私たちの暮らしも守る」と話す。

 注文は「山大」(TEL079・506・0777)のホームページで受け付けている。

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