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越直美さん
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越直美さん

■教委制度「無責任」の温床

 大津市で2011年に起こった中学2年生のいじめ自殺。市教育委員会や学校は当初、「いじめは知らなかった」と主張していた。しかし、警察が押収した資料から把握していたことを疑わせるメモが出てきた。

 事件の翌年、市長に就任し、この問題に向き合った。とにかく、当時の市教委は信用できないと思った。そこから、教育評論家の尾木直樹さんらでつくる第三者委員会を立ち上げた。外部の有識者が独自に調査する仕組みは当時、前例がほとんどなかった。第三者委から提出された報告書は現在の取り組みの基礎になっている。

 私は教育委員会制度を廃止すべきだと考えている。今の仕組みでは、教育行政は委員会が担い、首長に決定する権限はない。しかし訴訟などで最終的な責任を負うのは首長だ。結局、誰が責任を負うのか。このあいまいさが「無責任体制」に陥ってしまう。

 教育委員は市民の声から遠く、直接応えるような存在ではない。責任と権限を一致させるため、首長が教育行政も担うべきだ。

 神戸市が東須磨小の加害教員の給与を差し止めるため、分限休職処分の条例を改正したことは当然だ。自治体は納税者である市民の意見を聞き、反映しないといけない。

 大津市は、全小中学校に「いじめ対策担当教員」を設けた。10年度は小中55校でいじめ認知は53件だったが、18年度は3648件になった。2年前から無料通信アプリ「LINE」(ライン)の相談を始めた。深刻化する前の早い段階で連絡をくれるようになり、件数も大幅に増えた。

 私も小学生と高校生の時にいじめに遭った。近所の友達や部活動の仲間など、学校のクラス以外のコミュニティーに救われた。逃げ場のない組織であればあるほど、いじめは起きやすい。教室でも職場でも、開かれた空間にしておくことが大切だ。(聞き手・堀内達成)

【こし・なおみ】1975年生まれ。北海道大卒、同大学院修了。国内や米国で弁護士として勤務。2012年1月、歴代最年少の女性市長として36歳で大津市長に当選した。来年1月の市長選には立候補しないことを表明している。

    ◇     ◇

 さまざまな分野の方に聞くリレーインタビュー「先生はいま 私の考え」は随時、掲載します。

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