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JR東日本の社員らを前に、尼崎JR脱線事故について語る浅野千通子さん(右)と小椋聡さん=群馬県高崎市
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JR東日本の社員らを前に、尼崎JR脱線事故について語る浅野千通子さん(右)と小椋聡さん=群馬県高崎市

 2005年4月の尼崎JR脱線事故で、最も多くの犠牲者が出た2両目に乗車し、大けがを負った兵庫県宝塚市の浅野千通子さん(41)と同県多可町の小椋聡さん(50)が28日、群馬県高崎市で開かれたJR東日本高崎支社の安全フォーラムで講演した。社員ら約300人を前に、2人は「安全を考える時、事故の背景に一人一人の人生があり、家族がいることを想像してほしい」などと訴えた。

 講演は以前、2人の話を聞いた同支社安全企画室の担当者が「当事者の言葉を社員の心に刻んでほしい」と依頼した。乗客ら107人の人生が断ち切られた現場で、生き残った者の苦悩を背負ってきた2人。発生から15年を前に「公共交通に携わる人たちに、事故の実相を伝えられる機会」と引き受けた。

 小椋さんは2両目のひしゃげた車内の状況を振り返り「人は簡単には死なない。皆、もがき苦しんだ。これが事故の根本」と語った。事故後、親交が深かった遺族の女性が自死したり、遺族支援に関わった妻が心身に不調を来したりした経緯も語り、「事故は周囲にいる多くの人にも強烈な影響を与える。でもなかなか伝わらない」と、被害者のもどかしい思いを吐露した。

 何度も手術を受けた浅野さんは、体が回復した後も深刻なそううつ状態を経験。「事故で亡くなった人に申し訳ない」と罪悪感にも苦しんだ。症状が落ち着いた2年前からようやく事故について語れるように。「私の経験が安全の取り組みにどれほど生かされるか分からない。でも言葉の奥に何かを感じ取ってもらえたら」と締めくくった。

 講演後は、会場の社員から「現場の乗務員に伝えたい言葉は」「事故時のサポートで何が役立ったか」などと熱心な質問が相次いだ。(長嶺麻子)

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