総合 総合 sougou

  • 印刷
神戸新聞NEXT
拡大
神戸新聞NEXT

 神戸市東灘区の市立六甲アイランド高校で2017年12月、当時1年の男子生徒(18)が長時間の別室指導後に校舎から飛び降りて一時重体になった問題で、第三者による調査委員会(委員長=折出健二・愛知教育大名誉教授)は11日、教員の威圧的な別室指導が生徒に自殺を決意させたとする報告書を市教育委員会に提出した。市教委は「生徒指導の考え方や運用が学校任せになっていた」とし、ガイドライン作成のための有識者会議を早急に立ち上げる方針を明らかにした。

 生徒はツイッター上で問題行動を起こしたなどとして同月、2日間で計約16時間の別室指導を受けた後、校舎の5階から飛び降りた。その後に転校し、後遺症で松葉づえを使っているほか、嗅覚も失われた。

 報告書では、教員が別室指導の際、生徒に弁明の機会を与えないまま「(退学には結び付かない)年次指導で終わらない」と繰り返し発言したと指摘。生徒が「退学になるかもしれないと受け止め、自死を決意するほどの精神状態に追い込まれた」と結論付けた。

 折出委員長は会見で「別室で(生徒がいじめをしたという)自認を迫るやり方が非常に威圧的かつ一方的に行われた」と指導内容を批判。再発防止策として、生徒の人権に十分配慮した指導体制、生徒や保護者が相談できる第三者機関の常設を検討するよう求めた。

 市教委の会見では、後藤徹也教育次長が「市教委事務局としての責務が果たせず、こうした指導を事実上容認したことを反省している」と述べた。市教委は事実を確認した上で、関係者の処分を検討する方針。指導に当たった3教員のうち2人は、定年を迎えるなどして既に退職している。

 調査委は市教委に置かれたが、独立性を維持するため権限を市長部局に委任していた。男子生徒は「(別室指導で)僕の中には退学の恐怖だけが残った」とコメントし、「学校や市教委には改善策を必ず実行し、同じような被害に遭う生徒が二度と出ないようにしてほしい」などと訴えた。(石沢菜々子)

総合の最新