囲碁・天元戦 井山タイか、許が奪取か 9日に第4局
2019/12/08 17:33
対局を翌日に控え、記念撮影に応じる井山裕太天元(左)と許家元八段=8日夕、兵庫県洲本市のホテルニューアワジ
囲碁の井山裕太天元(30)=棋聖、本因坊=に許家元八段(21)が挑戦している第45期天元戦5番勝負(神戸新聞社主催)の第4局が9日午前9時から、兵庫県洲本市のホテルニューアワジで打たれる。両対局者は8日に現地入りし、決戦に備えた。
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互いに1勝1敗で迎えた第3局は許が中盤以降の乱戦を制してシリーズ2勝目。昨年8月に井山から碁聖を奪い、七冠独占を崩した許が、初の天元獲得まであと1勝とした。
井山は第3局の後、芝野虎丸名人に敗れて王座を失い、2012年以来の三冠に。今期天元戦で防衛に成功すれば5連覇となり「名誉天元」の資格を得るが、かど番の第4局を落とせば二冠に後退する。
8日午後、同ホテルに到着した両対局者は対局室に足を運び、碁盤や照明の具合などを確認した。
三冠に後退した井山だが、国際棋戦「農心辛ラーメン杯」では中国の強豪・楊鼎新九段を破り、5日の十段戦準決勝でも高尾紳路九段に勝利。「王座戦は残念だったし、天元戦も非常に厳しい状況。満足というわけにはいかないけれど手応えとして上向いている部分はある。全体的にはいっときより前に進めているように感じる」。第4局については「かど番ではあるが、こういう状況は今までも経験している。今持っている力を出し切る、そこを意識して臨みたい」と力を込めて話した。
許は今年、名人リーグ入りを果たす一方、本因坊リーグでも3連勝。「調子は悪くない」と充実ぶりを口にする。天元戦に関しては「3局打って、どれも紙一重の勝負が続いた。井山先生はやっぱり読みがすごく、バランスが取れていて弱点らしい弱点も見つからない。先に2勝できて良かった」と振り返り、第4局に向けて「ここからが本番。今、自分が持っている力を発揮できれば」と意気込んだ。
立会人は円田秀樹九段。持ち時間は各3時間で、当日夕方には勝敗が決まる見通し。(溝田幸弘)