囲碁天元戦第4局 井山が中押し勝ち、2勝2敗に

2019/12/09 20:20

天元戦第4局を制し、対局を振り返る井山裕太天元=9日午後、洲本市のホテルニューアワジ(撮影・吉田敦史)

 囲碁の井山裕太天元(30)=棋聖、本因坊=に許家元八段(21)が挑戦している第45期天元戦5番勝負(神戸新聞社主催)の第4局は9日、兵庫県洲本市のホテルニューアワジで打たれ、午後4時33分、先手番の井山が177手で中押し勝ちを収めた。 関連ニュース 菫ちゃんグッズ早くも人気 「どちらの色が好き?」には無言ではにかみ 囲碁・坂井八段が休場「一度目指した医師の道へ」 囲碁の賞金、井山8年連続の首位 1億4千万円

 これでシリーズ対戦成績は2勝2敗のタイとなった。決着局となる第5局は18日、徳島市「徳島グランヴィリオホテル」である。
 トッププロの対局では最近珍しい大ナダレ定石で動き出した第4局。井山は序盤から積極的な打ち回しでペースをつかんだ。許は長考を重ね、昼食休憩前には消費時間2時間23分と、井山の37分と比べて大きく差がついた。
 午後に入り、許は白52(10四)のハネ出しから反撃。上辺でフリカワリを強いるなど勝負形にこぎつける。しかし残り1分となっていた許の白114(6三)が疑問手で、左上でつらい生きを強いられることに。優勢に立った井山は中央で白石を取り切ると、コウで食い下がる挑戦者を振り切って投了に追い込んだ。持ち時間各3時間のうち、残り時間は井山21分、許1分。
 立会人の円田秀樹九段は「井山天元が堅実に勝ったという印象。許八段は早々と時間を使ったのが響いたのかもしれない」と話した。(溝田幸弘)

神戸新聞NEXTへ
神戸新聞NEXTへ