被災地支援続ける渥美二郎さんへ 歌って感謝、神戸で宝塚で

2019/12/17 07:00

コンサートで永遠鉄道を歌って踊る(左から)珠まゆらさん、愛音羽麗さん、美乃杏花さん=10月8日、神戸市中央区(陽うららさん提供)

 阪神・淡路大震災から24年にわたって、チャリティーコンサートの収益金で遺児らの支援を続けてきた演歌歌手渥美二郎さん(67)への恩返しにと、神戸や宝塚で渥美さんの新曲「永遠鉄道」を歌い継ぐ動きが広がっている。走る列車を人生になぞらえ「嬉し悲し繰り返し数え 行くあて知らずに走り続ける」-と歌う。哀愁に満ちた歌詞に被災地の歩みを重ね、宝塚歌劇団OGや神戸の歌手らがコンサートで披露している。(笠原次郎) 関連ニュース 布袋寅泰さん 迷った時期、ずしりと心に響いた言葉「世界へ挑戦するのに…」 神戸ルミナリエ閉幕 会期短縮後最多346万人来場 銘板に刻む震災25年の思い 神戸・慰霊と復興の碑

 渥美さんは1995年4月、遠くにいても被災地を励まそうと、東京で初めて震災支援コンサート「人仁の会」を開いた。孔子が論語で説いた思いやりの心「仁」から名付けた。遺児が高校を卒業する2013年まで続けるつもりだったが、11年に東日本大震災が発生。東日本と16年の熊本地震も含め、送った義援金は約6千万円に上る。
 今年7月、神戸市垂水区で開かれた社会福祉協議会のチャリティーコンサートで、カバー曲「永遠鉄道」(岩渕まことさん作詞・作曲)を披露。客席にいた元タカラジェンヌ陽うららさんは歌を聞き、「生かされていることへの感謝と、その後の生きる力をもらった」と振り返る。
 陽さんは震災時、夫や幼い子ども2人と暮らしていた神戸市垂水区の自宅が激しい揺れに襲われた。5年前に北海道のイベントで渥美さんと出会った後、被災地の支援をずっと続けていることを知り、胸が熱くなった。垂水へはその縁で招いた。
 陽さんが活躍した宝塚大劇場も被災したが、全国から励ましを受け、1カ月半で公演を再開した。渥美さんらの支援に報いようと、今年8月に後輩の鳴海じゅんさん、愛音羽麗さん、美乃杏花さん、珠まゆらさんと「バイオレットパーティ」を結成。永遠鉄道を歌い広めるため神戸や大阪のコンサートで歌い、インターネットでもその様子を公開している。
 仮設住宅の住民を歌で励ました経験がある地元の歌手岡田ひさしさん(46)も演奏会で披露している。
 30年前に胃がんを克服した渥美さんは「歌って深呼吸するとヨガのように免疫力が上がる。歌で救われた命。今後も被災地の役に立ちたい」と話す。陽さんは「渥美さんをはじめ全国から寄せられた優しい思いに応えるため、神戸や宝塚から永遠鉄道を広めていきたい」と語る。

神戸新聞NEXTへ
神戸新聞NEXTへ