大規模分譲住宅巡る「まちづくり権」 地裁が請求棄却

2019/12/17 22:14

神戸地方裁判所尼崎支部=尼崎市水堂町3

 兵庫県西宮市高塚町の大規模分譲住宅の建設を巡り、周辺住民ら32人が和歌山市の不動産業者などによる開発工事の差し止めを求めた訴訟の判決が17日、神戸地裁尼崎支部であり、田中健治裁判長は住民らの請求を棄却した。 関連ニュース 「住みよい街」全国トップ200 兵庫県内の9市がランクイン 「山から海見下ろす風景」守れ 神戸市、建物の高さや照明の規制検討 かやぶき住宅と町家にひかれ移住者倍増 丹波篠山市

 住民側は約4ヘクタールの森を開発して72戸の分譲住宅を建てる計画に反対。地域の開発計画に主体的に関わる「まちづくり権」を訴え、自然を守る権利を主張した。これに対し、不動産業者は都市計画法などの法令違反はないと反論した。
 判決で田中裁判長は「住民が居住地の都市環境や自然環境の形成に関与することは重要」としつつも「『まちづくり権』の内容は不明確で、法的な権利性を有するとは認められない」と住民側の主張を退けた。
 原告の一部の住民らは昨年9月、西宮市の開発許可処分を取り消すよう求める行政訴訟も神戸地裁に起こしている。

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