M-1王者ミルクボーイの恩師「涙出るくらいうれしかった」母「甘い物が好きな子」

2019/12/27 16:52

内海崇さんのサイン色紙とプレゼントのけん玉を持つ恩師の寺前直一さん(右)と幼なじみの中村伊織さん=姫路市豊沢町、神戸新聞姫路本社

 22日に開かれた漫才日本一を決める大会「M-1グランプリ」で史上最多5040組の頂点に立った「ミルクボーイ」。ツッコミの内海崇さん(34)は「灘のけんかまつり」で有名な兵庫県姫路市白浜町の出身だ。現在も連絡を取り合う小学生時代の恩師、寺前直一さん(58)=現荒川小教諭=は優勝直後のやり取りを明かし、「涙が出るくらいうれしかった。体には気を付けて、さらなる活躍を」と教え子に祝福とエールを送る。 関連ニュース 元グレチキ、波瀾万丈の軌跡 胃潰瘍で吐血、リストラ…を経て 「事故物件」渡り住む神戸の芸人 心霊現象を探究、収入は20倍に 松本人志さんも思い出語る「塚口さんさんタウン」とは

 「ありがとうございます。これからもチャレンジすることを、子どもたちに教えてあげて下さい」
 優勝直後から、テレビ出演などで多忙を極める内海さんに送った祝福の返事は、3日後の25日未明にようやく届いた。
 LINE(ライン)のメッセージには連絡が遅れたことへのおわびとともに、寺前さんが担任を務めた白浜小5、6年時、よく口にしていた「チャレンジ」の言葉も含まれていた。
 小学校時代の内海さんは「はしゃぐタイプではなく、まじめに話を聞く子」(寺前さん)。一方で保育園からの同級生、中村伊織さん(34)=同市=は「時々ぼそっと放った一言が、大きな笑いを生むことがあった」と非凡なセンスを明かす。
 卒業文集には同級生が修学旅行の思い出や将来の夢を記す中、競馬の有馬記念に持ち金を賭けた男の物語をドキュメントタッチに描いた。(ホームページによると、内海さんは後にギャンブルに明け暮れるが、今年6月に「完全勇退」)
 当時、最も熱中していたのは、優勝後のテレビ出演でも特技として披露しているけん玉だ。現在「日本けん玉協会」の兵庫県支部長を務める寺前さんに教わり、休み時間や放課後も熱心に練習していたという。
 卒業後に会う機会はなかったが、2014年、中村さんを通じて内海さんから連絡が入る。同じ若手芸人らと出演する舞台で、けん玉初段の認定をしてほしい-との依頼だった。寺前さんは仕事終わりに中村さんとなんばグランド花月(大阪市)近くの劇場へ駆けつけ、来場者の前で当時と変わらぬ腕前を披露した内海さんに認定証を授与した。
 それが縁でミルクボーイを応援するようになり、M-1決勝出場が決まった際にはすぐに激励のメッセージを送った。担任する5年生の教室に内海さんのサイン色紙を飾り、本番はテレビにかじりつき見守った。
 お祝いには大きなけん玉をプレゼント。「頑張って売れないといけないけど、昔のように謙虚な内海君でいてほしい」と優しいまなざしを向ける。(井沢泰斗)
■内海崇さんの母・智恵さん(64)=姫路市=の話
 M-1決勝はテレビで見守りましたが、緊張して、とても座って見てられませんでした。昔からずっと応援してきて下さった地元の方や、先輩芸人さんに感謝です。これからも漫才をしっかり頑張ってほしい。もなか? 大好きですよ、甘い物が好きな子なので。

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