兵庫県丹波市発注の水道管工事で入札情報を漏らしたとして、兵庫県警捜査2課は28日、官製談合防止法違反と公競売入札妨害の疑いで、丹波市水道部工務課の男性主査(40)=丹波篠山市=を逮捕した。情報を得たとして、丹波市の土木建設会社、取締役の男(49)=丹波市=も公競売入札妨害容疑で逮捕した。
男性主査の逮捕容疑は2019年9月中旬ごろ、丹波市が発注した「佐治地内他老朽管更新工事」の制限付き一般競争入札で、土木建設会社の男に、秘密事項である工事の設計価格などを伝え、落札できる金額の下限「最低制限価格」と同額の5546万4千円(税抜き)で落札させた疑い。
捜査2課は2人の認否を明らかにしていない。謝礼や接待の有無なども調べる。同課によると、男性主査は14年4月から工務課主査を務め、水道工事の設計や監督などを担当。15年ごろ、業務を通じ土木建設会社の男と知り合ったという。
同市によると、19年11月には男性主査が事務作業の遅れを隠すため、担当工事に関わる市の公文書を改ざんしていたことが発覚。市が翌12月、停職6カ月の懲戒処分としていた。
男性主査が逮捕されたことを受け、丹波市の谷口進一市長が28日夜に会見し「多大なるご迷惑をおかけし、大変申し訳ありませんでした。事件の詳細を把握し、厳正に対処する」と謝罪した。同市によると、公文書の改ざんなどが発覚後、男性主査に「他には何もないか」と繰り返し確認したが、「何もやっていない」と説明したという。
