被災地に歌で思い届け 八神純子さん、大江千里さんらコンサート

2020/01/19 12:21

会場と一緒に「上を向いて歩こう」を歌う(右から)八神純子さん、大江千里さんら出演者=兵庫県立芸術文化センター(撮影・冨居雅人)

 シンガー・ソングライター八神純子さん、ジャズピアニスト大江千里さんらが、阪神・淡路大震災の被災地から、東日本や熊本などの被災地に音楽で思いを寄せるチャリティーコンサート「Bright Lights,Spring concert」(神戸新聞社後援)が1月17日夜、兵庫県立芸術文化センター(西宮市高松町2)で開かれた。 関連ニュース 「トイレの神様」シンガー・ソングライターKa-Naさん 子育ては「邪魔しないで個性伸ばす」 松本隆が語る神戸愛 この地で新たな世界に挑戦を 伝説のアイドル32年ぶり復活 河上幸恵がラジオ番組

 大手音楽メディア「ビルボードジャパン」の主催で5回目。前半は、声楽家・柳原由香さん、飯田有紀さん、ピアニスト三浦栄里子さんらが出演。阪神・淡路-で生まれ、各地で歌い継がれている「しあわせ運べるように」を、約400人の聴衆と一緒に歌った。
 後半は、八神さんが東日本の被災者との交流から生まれた曲「1年と10秒の交換」を紹介。もしも亡くなった人に言えなかったことが言えるなら、これから生きる1年と引き換えに10秒だけでも奇跡が起きてと願う心情を切々と歌い上げた。また、米国で活動する大江さんは、母校の関西学院グリークラブと自作「ありがとう」を共演し、愛する人に素直に思いを伝えることの大切さを訴えた。
 最後は、2人で熊本地震被災地への思いを込めた大江さんの作品「KUMAMOTO」を披露。大江さんは「きょうは震災後に生まれた後輩たちと舞台に立てた。ぼくらは同じ時代を生きる家族。一緒に居合わせた人々の心に残る活動をしていきたい」。八神さんは「被災地で出会った人々に多くのことを教えられた。祈りに包まれた日に神戸で歌えることがうれしい。これからも被災地に歌を届け続けたい」と語った。
 アンコールでは、会場全員で「上を向いて歩こう」を大合唱し、思いを一つにした。この日、来場者や出演者から総額77万4772円が寄せられ、主催者側で同額を加えた154万9544円が、東日本大震災こども支援金として寄託される。(冨居雅人)

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