春節本番ピリピリ 中国新型肺炎 姫路城、南京町でマスク姿
2020/01/25 06:15
感染予防のため、姫路城の入城券売り場横に置かれた消毒液=姫路市本町(撮影・小林良多)
 新型コロナウイルスによる肺炎で24日、国内2例目の患者が確認された。中国ではこの日、旧暦の正月を祝う「春節」に伴う大型連休がスタート。兵庫県内の観光地でも外国人旅行者の訪問に期待を寄せる一方、中国からの観光客増加が予想され、関係者らは警戒を強める。港や空港も水際対策を強化。鉄道やデパートなどは従業員らがマスクを着けるなどし、感染拡大防止の徹底を図る。
          
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 姫路市は姫路城の天守、売店など6カ所に消毒薬を置いた。春節による中国人増加を見据えた対応だ。消毒薬の説明は日本語と英語のほか、簡体字、繁体字の2種類の中国語で記した。中国語が話せるスタッフによる積極的な声掛けや情報共有も徹底するという。
 春節祭が開幕した神戸・南京町は、マスクを着用する観光客や従業員が多く見られた。中華ちまき専門店の男性従業員は「ウイルス予防のため、従業員は全員マスクを着けている。土日は人が多くなるので、何事もなく祭りが盛り上がってくれたら」と話した。
 城崎温泉がある豊岡市は旅館協同組合が旅館を運営する72会員に文書で注意喚起。従業員への手洗いやうがいの徹底のほか、訪日外国人向けのキャッシュレス治療サービスが利用できる保険会社の情報-などを掲載した。芹沢正志理事長は「消毒を徹底する以外に対策が難しい。他の観光客が怖がって減らなければいいが」と不安を漏らす。
■受診呼び掛け
 海外からの利用者が多い関西空港駅。接客マナーの観点からマスクの利用を控えていたJR西日本は、11日から容認した。南海電鉄でも全駅員のマスク着用を始めた。
 大丸松坂屋百貨店を傘下に持つJ・フロントリテイリングは同様に、売り場の従業員が接客時のマスク着用を希望すれば、許可するよう各店に通達した。
 厚生労働省神戸検疫所は、上海と神戸を結ぶ定期フェリーが発着する神戸ポートターミナル(神戸市中央区)などにポスターを掲示。サーモグラフィーを使った体温チェックを活用しながら、体調不良を抱える武漢からの帰国者に申告を呼び掛ける。
 神戸市は関係部署による対策会議をこれまでに2回開催。全医療機関に対し診察受け付けを依頼するとともに、ホームページ上で、疑われる症状がある場合は事前に連絡の上で医療機関を受診するよう市民に呼び掛けている。担当者は「春節は人の行き来が激しい時期なので警戒を怠らないようにしたい。国の方針を見つつ、適切に対応する」としている。