平田オリザさん寄付募る「これが最初で最後」 劇団本拠地、4月オープンの劇場

2020/02/09 11:10

旧豊岡市商工会館を活用し、改修工事が進む江原河畔劇場=豊岡市日高町日置(青年団提供)

 兵庫県豊岡市に昨年移住した劇作家平田オリザさん(57)が主宰する劇団「青年団」が、拠点となる「江原河畔(えばらかはん)劇場」(同市日高町日置)を4月下旬に本格オープンさせる準備を進めている。経済産業省の補助金などを受けて旧豊岡市商工会館を改修しており、設備費などをインターネットで募るクラウドファンディングを実施している。 関連ニュース タカラジェンヌ「音楽学校ではホームシックに」 家族への思い語る 成人映画館、全国で風前の灯 30年間で約9割減、今や39館 客層開拓へあの手この手 劇場でポリ袋かぶり死亡 パフォーマンスで窒息か

 同市では昨年、豊岡演劇祭が始まり、2021年度には平田さんが学長候補の国際観光芸術専門職大学(認可申請中)が開校予定。市内の全小中学校が演劇を活用した授業を行うなど「演劇のまち」を目指した動きが進んでいる。
 同劇場は、東京から活動拠点を移す青年団の本拠地になるほか、地域の文化拠点としても使われる。クラウドファンディングは最低目標を1千万円とし、支援金が多いほど取り組む内容が増える方式を採用。1千万円=照明や音響などの機材を購入▽2千万円=全公演の観劇料を高校生以下は無償に▽3千万円=地域の子どもが参加する児童劇団を創設▽4千万円=若手演劇人の育成機関を創設▽5千万円=劇場に円山川を一望できるウッドデッキを増設-としている。
 個人や法人から1口3千~999万円を募り、支援者には観劇無料券やネーミングライツ(命名権)などの特典がある。
 平田さんは「新しい作品を創って劇場から世界へ発信し、地域の文化拠点も目指す。広範な寄付に頼るのはこれが最初で最後となると思う。協力をお願いしたい」と呼び掛けている。3月30日まで。(石川 翠)

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