強制不妊訴訟 原告側「国は差別解消の義務怠る」 神戸地裁・第6回口頭弁論

2020/02/13 21:55

神戸地裁=神戸市中央区橘通2

 優生保護法(1948~96年)下で障害者らに不妊手術を繰り返したのは憲法違反として、兵庫県内の被害者5人が国に計5500万円の損害賠償を求めた訴訟の第6回口頭弁論が13日、神戸地裁(小池明善裁判長)であった。国の統計では約2万5千人が手術を受けたとされ、原告側は「安易に、残酷に、人間の存在の根幹に関わる重要な権利を踏みにじった。罪は限りなく重い」と訴えた。 関連ニュース パワハラで免職は「適法」 福岡の消防職員、敗訴確定 【トランプ関税訴訟】大統領権限、最高裁決着へ 別の法律活用も 神戸の都市計画道路「須磨多聞線」訴訟 高裁が住民側の控訴棄却 

 原告側は、国が旧法で「不良な子孫の出生の防止」を目的として進めた施策の結果、兵庫県が展開した「不幸な子どもの生まれない県民運動」(66~74年)などにつながり「障害者らの生を軽んじる偏見・差別が助長された」と指摘した。
 その上で「国は優生思想を根付かせた者として、偏見や差別を解消するため、必要で有効な施策をする義務があるのに怠っている」と主張。「苦しみは今もなお続いている」と訴えた。
 原告側は国に対し、旧法の憲法適合性について意見提示を求めてきたが、この日も返答はなかった。

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