若い妊産婦の相談支援を強化 夜間や休日も助産師ら対応 兵庫県

2020/02/21 06:30

神戸新聞NEXT

 兵庫県は2020年度、不安や悩みを抱える若い妊産婦の相談支援に乗り出す。望まない妊娠や未受診のままの出産が子どもの虐待死につながるケースは多い。早い段階で母子の健康を守り、虐待防止につなげる狙いだ。(末永陽子) 関連ニュース 三木市の妊婦健診助成券、額面を変更し3種類に 使用時の枚数制限も撤廃 「命を大切に夢に向かって」助産師が出前授業 赤ちゃん人形の抱っこなど体験 丹波篠山・八上小 助産師に学ぶ命のいとしさ お産に立ち会う喜びや悲しみ伝え 丹波篠山、西脇病院の2人が授業


 2015年2月から平日昼間に電話とメールで相談を受ける「思いがけない妊娠SOS」を実施。15年度は136件だったが、19年度は533件に増えた。経済的な悩みや孤独感など内容は幅広いという。
 厚生労働省によると、07年1月~17年3月末に判明した虐待死亡例では、亡くなった535人のうち99人の事例で母親が10代で出産し、妊婦健診を受けていないケースも目立ったという。
 県は夜間や休日にも対応できるよう、専門団体に事業を委託。助産師や保健師が応じ、必要なら妊婦健診にも同行する。
 このほか、全国で風疹が広がっていることを受け、妊娠を希望する女性や同居家族らに、抗体検査の費用を助成する。国の制度も活用し、最大6740円を上限に補助。4702人を想定している。
 妊娠初期の妊婦が感染すると、難聴や心疾患、白内障となる「先天性風疹症候群」の子どもが生まれる可能性が高まる。昨年の県内の患者数は50人。全国では大半の都道府県が助成を始めており、兵庫では取り組みが遅れていたという。
 また、無料・低額で食事を提供する「子ども食堂」への助成を拡充する。県内では19年4月時点で215団体が開設。資金繰りやスタッフ確保などに悩む団体もあり、地域差も課題となっている。そこで、対象となる運営団体の条件を従来の「月2回以上開催」から「月1回以上開催」に変更する。

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