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「南三陸志津川さんさん商店街」のにぎわいづくりに奮闘する三浦洋昭さん=宮城県南三陸町志津川
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「南三陸志津川さんさん商店街」のにぎわいづくりに奮闘する三浦洋昭さん=宮城県南三陸町志津川
さんさん商店街で、神戸・長田の名物「そばめし」を振る舞う大正筋商店街の関係者ら=2019年3月10日
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さんさん商店街で、神戸・長田の名物「そばめし」を振る舞う大正筋商店街の関係者ら=2019年3月10日
伊東正和さん
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伊東正和さん

 東日本大震災で壊滅的な被害を受けた宮城県南三陸町で、3年前に開設された「南三陸志津川さんさん商店街」が盛況だ。来場者は累計144万人に上り、人口1万1千人の町のにぎわいをけん引。背中を押し続けたのが、阪神・淡路大震災で被災した神戸・長田の商店主だ。自らの経験から「復興特需に甘えたらあかん」と教訓を伝え、復興への長い道のりを伴走してきた。(金 旻革)

 南三陸町では9年前に発生した津波で住宅3143戸が全壊。関連死を含む620人が命を落とし、沿岸部の商店街も全滅した。

 約1年後、商店主たちは32店舗の仮設商店街を始めた。2017年3月の本設開業までの5年間で約200万人が訪れ、地域の台所と再生のシンボルとして被災者に勇気を与えた。

 神戸市長田区の大正筋商店街が支援に動いたのは、震災直後から。同商店街の茶販売店主、伊東正和さん(71)は阪神・淡路の課題を踏まえ、「施設にお金を掛けすぎたら維持費が大変」「魅力ある商店街づくりを」と助言。定期的に足を運んでイベントに参加するなど、下支えしている。

 「商売の復興に甘い考えはだめだと教わった」。さんさん商店街の運営会社代表で、水産加工品製造・販売会社を営む三浦洋昭さん(61)は振り返る。新鮮な魚介類を扱う飲食店や販売店などが軒を連ねる商店街には観光客が押し寄せ、本設開業1年半で来訪者が100万人を突破。多い時で月20万人に達した。

 力を入れるのは毎月のように開かれるイベントだ。マグロの解体ショーや仙台牛の無料試食会など、若手商店主が中心となって企画し、飽きさせない仕掛けに取り組む。

 昨年から商店主たちが集う月1回の定例会を始めた。商店街の課題をあぶり出し、解決策を見いだす。最近では「飼い犬を連れた客が多い」との意見を踏まえ、敷地内につないでおけるリード用フックを設けた。ドッグランの整備も検討している。

 復興が進むにつれ、他の商業施設がオープンすると、さんさん商店街の客足に陰りが出始めた。21年度には町内の復興事業が完了し、ハード整備も区切りを迎える。

 三浦さんは「本当の正念場はこれから。いつまでも行きたくなる商店街をつくりたい」。伊東さんは「今となってはさんさん商店街から学ぶことが多い。今後も被災を経験した仲間として手を携えていく」と語った。

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