感染初確認で県が対策会議 知事、冷静な対応呼び掛け

2020/03/02 00:33

兵庫県在住者で初めての新型コロナウイルス感染者が報告された対策本部会議。井戸敏三知事(左)が警戒を呼び掛けた=1日午後10時2分、神戸市中央区、兵庫県庁(撮影・中西幸大)

 兵庫県在住者で初めて新型コロナウイルスの感染が確認された。兵庫県と同県西宮市が1日、感染を明らかにした西宮市の40代の男性は大阪市内で勤務する会社員。会見した県の職員は「とうとうきたか」と危機感を強めた。渡航歴や感染者との接触は今のところ確認されておらず、県と西宮市は感染経路の確認を急ぐ。 関連ニュース 兵庫県初の感染者を確認 新型肺炎 西宮市在住の40代男性 集団感染のクルーズ船、下船した兵庫県内居住者は43人 発熱などの症状確認されず 感染症の研究員「マスクは人混みや電車の中ではしています」

 「覚悟はしていたが、現実になると残念だ」。1日夜に会見した井戸敏三知事は慎重に言葉を選びながら話した。各地で感染が広がる中、県はこれまで4回の警戒本部を開催。県民に対して「コールセンターの設置など、すでに基本的な対策は実施している。冷静に対応してほしい」と呼び掛けた。
 会見では感染経路についての質問が集中。「日曜日の午後8時に判明したばかり。まだ確認が取れていないことが多い」と繰り返した。男性は25日の症状発症以降に接触したのは同居家族と、受診した西宮市内の3病院だけだと話しているといい、県は関係者の経過観察を進め、男性が勤めていた大阪市内の会社についても同市の保健所を通じて事情を聞くとした。
 井戸知事は「2次感染が生じることが一番の問題。この患者でとどめることが重要だ」と強調した。
 一方、西宮市の石井登志郎市長も会見で、「市民の皆さまに重要なお知らせがある」と報告した。
 やはり記者の質問は大阪市内とされた勤務先と感染経路に質問が集中したが、石井市長は「それなりの人数がいる職場で事務作業をしていると聞いている」と述べるにとどまり、「積極的に外に出るような仕事ではない」と話した。感染経路に関しても「明日以降、本人に聞いていく」とした。
 また、今後甲子園球場で開催されるプロ野球阪神タイガースの公式戦や選抜高校野球大会などへの影響を問われると、「事態が動いている」とした。
 会見中、石井市長は「ぜひ冷静に」「重ねて冷静な対応を」と何度も繰り返した。(前川茂之、大田将之、名倉あかり)

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