休校中の学童保育 安堵とため息交錯 県内自治体の対応まちまち

2020/03/03 20:40

神戸新聞NEXT

 新型コロナウイルスの感染拡大防止に向けた国の要請を受け、3日から、小野市を除く兵庫県内全域の小中高校と特別支援学校などが臨時休校となった。共働きやひとり親家庭の小学生が利用する放課後児童クラブ(学童保育)について、国は原則開所を要請しているが、自治体によって対応はまちまちだ。普段は利用しない子にも学校を開放する市もあれば、開所を見送ったり、低学年に限定したりする市も。保護者の安堵とため息が交錯している。 関連ニュース 子育て社員「在宅」対応、テレビ会議など活用 新型肺炎で一斉休校 もしや感染?自治体に相談急増 新型肺炎「冷静に行動を」 濃厚接触なし、かかりつけ医に 臨時休校で自宅待機の給食センター臨時職員 給与支払われず

 「学童があれば助かるけど仕方がない。仕事も終日休めないし、子どもに頑張ってもらうしかない」
 そう漏らすのは、小学2年の娘(8)がいる丹波市のパート従業員の(35)。同市は3~15日の学校休校中、学童保育を開所しないことを決めた。
 同市では、全児童の3分の1が学童保育を利用している。だが、市の担当者は「子どもの健康と安全を優先した。休所で影響が出るのは分かるが、休校した意味を考えてほしい」と理解を呼び掛ける。
 休校期間中、女性は夫と交代で仕事を早退する予定だが、午前中、娘は家で1人留守番する。心細くならないよう、親子で時間ごとにやるべきことを紙に書き連ね、自宅の壁に張り出しているという。
 県こども政策課によると、県内全41市町のうち30市町が夏休みなどと同様に開所する。一方で、急な措置に支援員の人繰りがつかず、姫路市では開所時間を通常より30分遅らせ、三田市では1~3年生などに利用対象を限定した。
 神戸や尼崎市など一部の自治体では、普段は学童保育を利用していない子にも学校を開放するなど、家庭で過ごすのが困難な小学生の居場所を確保する。
 県内では3日までに、西宮、神戸市で同ウイルスの感染者が確認された。西宮市の会社員の女性(36)=西宮市=は小学3、4年の子がいるが、学童保育を利用していないため、在宅勤務しながら子の世話をする。「感染者も確認されて、外で遊ばせるのも怖い。塾も習い事も休み。これからどうやって過ごしていけば…」と戸惑う。(斉藤絵美)

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