先の見えない“休校ショック” 子どもの居場所は
2020/03/05 15:00
「東灘こどもカフェ」で勉強する小学生=神戸市東灘区
新型コロナウイルスの感染拡大で学校が臨時休校しているため、子どもたちの見守り活動や居場所づくりが兵庫県内で広がっている。突然の休校に戸惑い、ストレスをためる子どもたち。預け先に苦心する保護者も多い。先の見えない“休校ショック”が続く中、NPO法人や子ども食堂が、感染拡大に細心の注意を払いながら取り組んでいる。
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三田市の野外活動施設「神戸三田アウトドアビレッジTEMIL(テミル)」(TEL079・230・0661)は3日から、小中学生を対象にしたキャンプを始めた。24日までの平日に1日約30人を受け付ける。
姫路市のNPO法人「生涯学習サポート兵庫」などが急きょ企画。日帰りから4泊5日の利用まであり、ボール遊びや森体験などのプログラムを用意し、子どもたちのストレス発散を促す。手洗いやアルコール消毒を徹底し、ボランティアらの検温など体調チェックも欠かさない。
施設には日を追うにつれ、保護者や祖父母からの問い合わせや申し込みが増えているという。担当者は「休校による環境の変化は、子どもたちにとってストレス。楽しく安全に楽しめる場を提供したい」とする。
青少年支援に取り組む西宮市のNPO法人「ブレーンヒューマニティー」(TEL078・843・8849)は、自宅に大学生ボランティアを派遣する事業や事務所会議室での見守りに取り組んでいる。大学生ボランティア約650人が所属。見守り活動にはすでに11人の登録があり、大学生が勉強を教えたり一緒に遊んだりしている。
対象は西宮市や隣接市のひとり親や共働きの小中学生で、定員は1日約15人。料金千円(生活保護の受給世帯は無料)。職員(32)は「学習の遅れや生活習慣の乱れに不安を持つ保護者も多いので、少しでも助けになれば」。
姫路市のコミュニティースペース「はこプラス」(TEL079・227・1441)も4日から小学生の見守り活動を始めた。代表の福岡加奈さん(37)が、預け先がない友人の依頼で企画。1人500円で、今後も要望に応じて開くという。
神戸市東灘区の東灘こどもカフェ(TEL078・452・9944)は、甲南大のボランティアサークルと連携し、お昼時に「おにぎり昼食」を開催。小学生や園児らに100円でおにぎりやおかずを提供し、学生が宿題の指導もしている。
3日に訪れた魚崎小5年の女児(11)は「宿題が多くて大変。なるべく外出しないように言われているし、退屈」。同5年の女児(11)も「学校でも自習を受け入れているけど、行く友達は少なそう。このカフェにはまた来たい」と話していた。(末永陽子、吉田敦史)
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