ピッコロ劇団代表6年務め「優しさと理性の人」別役実さん死去

2020/03/11 09:52

「不条理・四谷怪談」の舞台稽古を見る別役実さん=2013年、尼崎市

 日本を代表する劇作家で不条理劇の第一人者とされた、兵庫県立ピッコロ劇団の前代表別役実(べつやく・みのる)さんが3日午前0時12分、肺炎のため、東京都杉並区の病院で死去した。82歳。葬儀・告別式は親族のみで済ませた。喪主は長女林怜(はやし・れい)さん。後日、「しのぶ会」を開く予定。 関連ニュース ビョルン・アンドレセンさん死去 映画「ベニスに死す」主人公 海老沢勝二・元NHK会長が死去 ネット推進、不祥事で引責辞任 テノール歌手 田原祥一郎さん死去


 別役実さんは2003年から6年間、兵庫県立ピッコロ劇団の代表を務めた。現代表の岩松了さんは「演劇を始めた時からあこがれ、劇作家としてその背中を追いかけてきた」といい、「いつも穏やかで優しい言葉をかけてくださいましたが、同時に冷ややかな理性も感じさせてくれる方だった。覚悟はしていたが残念」と悔やんだ。
 劇団創立から所属する平井久美子さんは「まだ実感は湧かない。でも、そういう時が来てしまったのか」と悼んだ。
 代表就任時、別役さんは65歳で、劇団員は20代後半が中心。別役さんの作品を平井さんが初めて演出した時「このせりふを歌詞に直してほしい」と注文したら、喜んで応じてくれたという。「思えば恐れ多いことをした」と振り返りつつ、「若手と一緒に作っていくことを楽しんでくれていたのでは」と推し量る。
 同劇団は今年10月、別役さんが1998年に書き下ろした「ホクロのある左足」を22年ぶりに再演する。演出は岩松さんが務める予定で、平井さんは「見ていただきたかった」としのんだ。(溝田幸弘)

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