兵庫県内の自殺者、震災以降で最少877人 景気上向き理由か

2020/03/17 07:00

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 兵庫県内の2019年の自殺者数は877人(暫定値)と、阪神・淡路大震災のあった1995年以降で過去最少となったことが警察庁のまとめでわかった。県は22年までに年間自殺者数を800人以下にすることを目標に掲げている。 関連ニュース 【自殺対策】「前兆」分析し支援強化 未遂や自傷、実態把握 30代男性受刑者が自殺か 加古川の刑務所、単独室に収容 直前の巡回で異変なし 専用電話で子どもの悩み聞く「チャイルドライン」 兵庫唯一の拠点、姫路に開設へ

 県いのち対策室によると、県内の年間自殺者数はバブル経済崩壊後の98年に急増し、1452人と最多を記録。その後10年近くは1300~1400人で推移していたが、11年以降は減少傾向に転じている。
 19年は18年から77人減少し、男性596人(18年比46人減)、女性281人(同31人減)。同対策室は「景気が上向きだったこともあり、経済問題を動機にした自殺が少なかった」と分析する。月別では4月が85人と最多で、12月は83人で前年から18人増えた。
 県は3月の自殺対策強化月間に合わせて例年、街頭啓発活動を実施していたが、今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止に。ホームページなどで複数の電話相談窓口を紹介している。
 主な相談窓口は「いのちと心のサポートダイヤル」TEL078・382・3566(月-金曜の午後6時~翌午前8時半。土日・祝日は24時間)、産業カウンセラーによる「働きざかりSOSダイヤル『こころの電話相談室』」TEL050・3335・3365(28日までの水、土曜の午後6~10時)
(前川茂之)

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