尼崎高水泳部いじめ、市教委調査怠る 2年経ち「重大事態」に

2020/03/18 13:28

市立尼崎高校=尼崎市

 尼崎市立尼崎高校の水泳部で2017年、不登校となった当時高校1年の女子生徒の保護者がいじめ被害を訴えていたにもかかわらず、学校や同市教育委員会が調査を行わずに約2年間放置していた問題で、同市教委は18日、当時いじめの報告を受けていたにもかかわらず、詳細な調査を怠っていたことを明らかにした。市教委は「学校側や市教委の対応が当時どうだったか、詳細は今後調査したい」と述べるにとどめた。 関連ニュース 教育長、いじめ自殺遺族に「おまえも行くか」 窓掃除中に校舎4階から転落、男性中学教諭死亡 高1女子とみだらな行為 母が借金か、65歳男を逮捕

 市教委によると、生徒(既に退学)は1年時に不登校になり、精神疾患を患ったという。その時期に保護者らはいじめ防止対策推進法による「重大事態」として調査を求めたという。
 当時、いじめの認知自体は学校から市教委へ報告されていたが、市教委が事態を把握したのは今月5日。同11日に「重大事態」に認定した。市教委としては2年余り、詳細な調査に乗り出していなかったという。
 市教委の担当者は今月12日、面談した保護者と元生徒に対し「2年間つらい思いをさせたことについて申し訳ないと伝えた」という。学校から報告があった17年の時点で「重大事態」だった可能性があり、今後、第三者委員会で調査する。(大盛周平)

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