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今西雄介氏
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今西雄介氏

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、経済活動が縮小し、労働現場でさまざまな問題が噴出している。兵庫県内の各労働組合に寄せられた相談内容を基に、法律的な見解や対処法を、労働問題に詳しい双花(ふたばな)法律事務所(神戸市中央区)の今西雄介弁護士に聞いた。2回に分けて紹介する。(まとめ・上杉順子)

 〈ケース1〉

 スーパー勤務。販売するマスクはあっても従業員には支給されず、自分で調達しなければならない。

 -マスクにどこまでの予防効果があるのかという観点は残るが、勤務中に感染した場合、労災になる可能性がある。事業主には労災を防ぐ措置が求められる。労働安全衛生法23条を根拠とすれば、スーパーは接客業務もあり、配布は必要な措置と言える。違法かどうかは別として、労働者の生命を守る観点では、会社側がマスクを配布することが望ましい。また、着用を命じるなら支給すべきだ。

 〈ケース2〉

 小売業のパート従業員。臨時休校になり、子どもの世話で休まないといけないが、会社は「年次有給休暇を使ってくれ」と言う。

 -有休の取得はやむを得ない。「臨時休校なので」という理由は、従業員側の事情になる。厚生労働省はホームページで「(新型コロナは)特殊な事情なので労使でしっかり話し合うように」と呼び掛けているが、一方で、有休があるなら使ってほしいと求めることが直ちに違法とは言えない。

 〈ケース3〉

 1年ごとの有期契約社員。臨時休校に伴い、有休を申請したところ、「次回以降、雇用契約は更新できない」と通知された。

 -新型コロナに便乗した雇い止めが出てきており、そう見てもいいのかもしれない。有休は契約社員も取得できる。有休申請を理由に雇用契約を更新しないのは、コロナに関係なく問題だ。しかし、会社側はコロナで有休を取ったから雇い止めにしたとは認めないだろう。契約更新の拒絶に縛りをかけるのは難しい。

 〈ケース4〉

 コールセンターの契約社員。職場は密室状態で環境が悪く、感染が心配なので休みたい。しかし、非正規雇用なので休暇がなく、休んだら無給になる。

 -気持ちは分かるが労働者側の事情になり、会社が欠勤扱いしても違法と言えないだろう。休業手当は本来、使用者の都合で休ませるときに出すものだが、コロナ問題では厚労省も労使の話し合いを呼び掛けており、会社側が配慮して休業手当を出すのが望ましい。非正規雇用でも要件を満たせば有休を取得できる。

【記事特集】新型コロナウイルス

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