新型コロナ、兵庫で若者の感染増加 20代以下が1割→3割に
2020/04/07 12:05
国立感染症研究所で分離された新型コロナウイルスの電子顕微鏡写真像(同研究所提供)
4月に入り、兵庫県で判明した新型コロナウイルス感染者の中で、若者の割合が増加している。3月の20代以下の患者は148人中15人でわずか1割だったが、今月(6日時点)は61人中18人となり3割を占めた。高齢者が多かった施設の集団感染が落ち着く一方、若者の感染増加で感染経路がたどれていないケースが目立っている。
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県などの発表によると、3月の感染者を年代別にみると80代の29人が最多。60代以上が計73人で全体の半数を占めていた。30代は11人、20代は14人、10代は1人だった。
一方、4月に入ると、海外渡航のほか、飲食店勤務で感染者と接触するなどして20代の15人が陽性となった。
4日には初めて神戸市で高校生以下の感染が判明するなど、10代も3人確認。発症日は3月末に集中している。40代以下の割合も、3月の34%から4月は56%に増えている。
感染経路については、3月中はクラスター(感染者集団)を中心に9割以上が判明したが、4月は約6割の36人(6日時点)が行動歴を調査中で、経路の解明が難しくなっている。
神戸市健康企画課の担当者は「年度替わりの時期で、人と会ったり宴会があったりと、若い人の外出機会が増えたことが発症につながっている。改めて密集、密閉、密接の要素がある場所を避けてほしい」と話す。(井川朋宏)
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新型コロナウイルスの感染者が連日、100人前後判明している東京都内でも、20代から40代の感染者が目立っている。当初は高齢者が多かったが、3月下旬から全体数が急増し、若者らが目立ち始めた。
4日までに都内で判明した感染者891人のうち、20代~40代は470人で半数以上を占める。5日時点で、厚生労働省の集計では、全国的にも約半数となっている。行動範囲の広い若者は、感染源の特定が困難な上、無症状のまま周囲に感染を広げる危険性が指摘されている。小池百合子都知事も、若者らに外出抑制の呼びかけを強めている。
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