保護者感染の児童、施設で預かり 神戸市の補正予算案

2020/04/23 20:39

新型コロナウイルス対策の補正予算案を説明する久元喜造神戸市長=23日午後、神戸市役所

 神戸市は23日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた経済対策や医療体制の強化など総額1624億900万円の2020年度補正予算案を発表した。中小企業の店舗の家賃を減額したビルオーナーに対する補助制度に10億円を充て、親が感染して養育できない子どもの一時保護に2千万円を計上するなど、市独自の支援策も盛り込んだ。 関連ニュース 【現金給付見送り】関税で躍起、不評受け一転 参院、公明くすぶる不満 【25年度予算案】与党、威信懸け成立躍起 野党、商品券問題で強気 【野党分断】維新と国民、深まる溝 予算賛否割れ、批判応酬

 補正予算案は感染症の拡大防止、市民生活の維持、経済対策の3つの柱で編成され、財源の大半は国庫支出金などで賄う。総額のうち1555億円は国が全国民に一律10万円を配る「特別定額給付金」で、5月中の給付開始を目指す。市支出分の44億3900万円は、市の貯金に当たる財政調整基金(残高115億円)から取り崩す。
 経済対策(計27億円)としては、中小企業の店舗の家賃を半分以上減額した不動産オーナーに、減額分の8割(最大200万円)を支援する制度を新設する。兵庫県が既に発表した、休業要請に応じた中小企業や個人事業主への支援金では神戸市は約9億円を負担する。
 感染拡大防止策には計21億円を計上し、軽症者の受け入れ施設の確保や検査態勢を強化。保護者が感染して入院するなどして養育できない児童が出ることも想定し、民間施設を借り上げて一時的に預かる。現在、施設側と交渉中という。
 また、感染者の入院を受け入れる病院に対しては、防護服などの確保を図る支援制度を創設し、3億円を充てる。マスクや人工呼吸器といった医療資材や相談態勢の拡充などにも5億4千万円を計上した。
 久元喜造市長は23日の会見で「感染拡大の防止に全力で取り組んでいるが、期間が長引くにつれてさまざまな課題が大きくなってきている。市民生活、神戸経済を守るための対応が必要だ」と説明した。
(石沢菜々子)
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