<人>兵庫県警本部長に着任した吉岡健一郎さん

2020/04/30 12:57

吉岡健一郎・兵庫県警本部長

 学生時代に「多くの人の役に立つ仕事をしたい」と公務員を目指した。その中でも、最も熱い人が多いと感じたのが警察庁だった。「正義を実現できるのが警察」。先輩の言葉に奮い立ち、1986年に入庁した。

 警備局の経験が長く、北朝鮮による拉致問題の対策には4度携わった。帰国した被害者から話を聞き、拉致の実行犯を国際手配した。理不尽に奪われた暮らしと、異国での苦労。被害者が語った悔しさが、仕事の原動力となっている。
 本部長としての勤務は徳島県に続き2度目。新型コロナウイルスの感染拡大に便乗した詐欺や侵入盗の摘発と、暴力団犯罪の取り締まりを重点課題に掲げる。特に兵庫県内に拠点を置く特定抗争指定暴力団の山口組、神戸山口組などに対しては「弱体化、壊滅に向けた取り組みを進める」と語気を強める。
 座右の銘はあえて持たない。情報や世間の常識が次々に更新される中で「一つ一つの問題に、柔軟に、しなやかに対応する」ためだ。指揮官の心構えは「腹が立っても、怒る前に10秒数える」。藤沢周平の時代小説に没入する時間が、ストレス解消法の一つという。
 初の勤務となる兵庫。「阪神・淡路大震災を経験し、復興されたたくましさ、奥深さがあり、歴史文化にもあふれている。可能な限り、足を延ばしたい」。今は自粛するしかないが、新型コロナウイルスの感染が終息すれば、「神戸の街をジョギングしたい」と話す。57歳、愛知県出身。東京都に妻子を残し、単身赴任。(記事・岡西篤志、写真・三津山朋彦)

神戸新聞NEXTへ
神戸新聞NEXTへ