重症病床3週間で満床に 兵庫県、第2波対策で試算

2020/05/14 08:59

兵庫県庁=神戸市中央区下山手通5

 新型コロナウイルスの感染患者用の入院病床について、兵庫県で新規感染者が毎日40人続けて発生した場合、約3週間で重症者用の病床が埋まることが県の試算で分かった。県は「最悪の想定」としながらも、新型コロナの第2波襲来に備え、医療体制を検討していく。(藤井伸哉) 関連ニュース 新感染症PCR検査を素早く確立 国立衛研が模擬検体を開発 コロナ感染者、4週連続で減少 インフルエンザは増加続く 国の契約書不開示決定を取り消し コロナワクチン購入で、東京地裁

 13日時点で、県内の医療機関には重症者用71床、中等症以下用438床の計509床ある。軽症や無症状の人が療養する宿泊施設も700室準備している。
 県は、どの程度の新規患者に対応できるかを検証するため、1日当たりの新規感染者が最も多かった42人(4月11日)をベースに試算。発生割合は重症者8%、中等症12%、無症状・軽症80%▽重症者は退院しない▽中等症は3週間で療養施設に移動-などの条件で1カ月間を集計した。
 その結果、重症者は23日目に73人となり、30日目は96人に増加。最新の収容能力を25人上回った。中等症以下の入院は最大約200人、療養施設は最大約500人で、いずれも病床や室数は不足しなかった。
 井戸敏三知事は、5月12日の全国知事会のテレビ会議で「第2波対策は、重症者対策が特に重要」と発言した。
 県の担当者は、12日時点の重症者が21人で病床に余裕があり、5月の感染者はほぼ1桁台で推移していることから、直ちに重症者病床を増やすことは否定。「重症者は命に関わる問題。状況を見極めながら判断したい」と話した。
【記事特集リンク】新型コロナウイルス

神戸新聞NEXTへ
神戸新聞NEXTへ