三宮と元町、往来じわり復活 神戸市が動向注視
2020/05/22 15:00
2019年9月19日の三宮センター街=神戸市中央区
新型コロナウイルスの感染拡大で減っていた神戸・三宮、元町の平日の人出が増えつつある。ゴールデンウイーク(GW)ごろは感染拡大前の約7割減だったがじわじわ戻り、今週(18~20日)は元町で減少幅が5割を切った。出勤者が増えたとみられ、神戸市は「緊急事態宣言が解除されても、在宅勤務など『新しい生活様式』がどれだけ定着するか」と今後の動向を注視する。
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関西電力などが設置した街中の赤外線センサーで計測し、同市が提供を受けているデータを活用。人通りの多い三宮センター街東端出入り口と、JR元町駅南側の平日の歩行者数を調べた。
両地点の人出は、兵庫など7都府県に緊急事態宣言が発令された4月7日の2~3週前から減り始めた。2月上旬を感染拡大前の平時とみて比べると、最も減ったのはGW前ごろで、元町で69%減、三宮で67%減だった。人の往来がそれぞれ1日当たり約3万6千人、約2万1千人少なくなった計算になる。
しかしGW後は一転増加。最新の今月18~20日のデータを2月上旬と比べると、減り幅が元町で49%、三宮で56%まで縮んだ。元町では約1万人の人出が戻ったことになる。
感染者数の収まりや県による休業要請の緩和、宣言解除の議論が広がったことなどが作用したとみられる。
また、市営地下鉄三宮駅の乗客数(平日)も、2月上旬と比べると今週は58%減にとどまっているものの、4月末や5月初めは66%減となっていた。
同市データ解析チームの担当者は、21日の宣言解除に伴って休業要請がさらに緩和され、週末を迎えるため、警戒する。その上で「外出が抑えられていたのは市民に高い意識をもってもらえた結果。行動が元通りにならないよう、今後もデータの分析や発信が必要になる」と話している。(初鹿野俊)
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