要件緩和で利用者戸惑い 返済免除「自分は対象?」
2020/05/25 09:44
姫路市社会福祉協議会の特設窓口には連日多くの申請者が訪れている=姫路市安田3
新型コロナウイルスの影響で収入が減った世帯向けに特例措置が設けられ、申請が急増している緊急小口資金。「助かる」という声が出る一方、困窮が続く世帯に定めた返済免除の要件が不明確なために、利用希望者の間で混乱も生じている。「自分は免除されるのか」。利用希望者は戸惑いを残しつつ、急場をしのごうと手続きを進めている。
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同資金は元々低所得世帯向けだが、厚生労働省は3月下旬、対象をコロナ禍で苦境に立つ世帯にも広げ、要件や返済期限を緩和した特例措置を設けた。この際、「償還時に所得の減少が続いている住民税非課税世帯」は返済を免除するという項目を置いた。
だが、所得が「減少し続けている」ことを証明する手段は示されていない。既に特例措置でお金を借りた人の多くは2021年4~5月に返済開始となるが、課税か非課税かが分かる「課税証明書」の発行は5月下旬以降のため、証明が間に合わない人もいる。
また、利用者から見れば「借りたときに課税世帯だと免除されないのか」「家族全員が非課税であることが条件なのか」「償還時とはいつを指すのか」などの疑問も浮かぶ。
兵庫県社会福祉協議会には問い合わせが相次ぎ、担当者は「厚労省から規定の一文以上の詳細な通達がなく、正確な案内ができない」と明かす。窓口では「今は返済前提で借りて、としか言えない」のが実情だ。
姫路市社協では大型連休明け、返済免除に関するものを含めて1日300件以上の相談が入る日もあった。同社協の担当者は「窓口に相談者が殺到し、『3密』の状態が生まれた」と話す。
厚労省の担当者は免除対象が定まっていないことを認めつつ、「国として休業などをお願いする上で『償還免除はすべき』という考え方をまず示した。免除の要件を早く明確にしてほしいという指摘は承知しているが、経済の先行きが見えない中、(対象の)線引きは慎重に検討する必要がある」としている。(井沢泰斗)
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